日々、目まぐるしく変わる新宿・歌舞伎町の姿を20年にわたり撮影してきたのが、カメラマン・都隆一氏だ。都氏は近年、歌舞伎町の姿が大きく変わり始めていることを危惧している。
「欧米圏の外国人観光客が急増しました。理由は近年、歌舞伎町に相次いで誕生したビジネスホテルです。ラブホテルならまだしも、一昔前までヤクザが闊歩していたこの街のど真ん中に、宿泊施設ができるなんて、隔世の感があります。欧米人の多くはこうした場所に宿泊して街へ繰り出す。いまや歌舞伎町は単なる観光地になってしまいました」
そしてこう警鐘を鳴らす。
「観光客の増加は良いことに感じるかもしれませんが、彼らはツアー会社と組んだ特定の店にしかお金を落とさない。それに羽目を外してトラブルを起こしやすく、昔ながらの店の人たちは“仕事がやりにくくなった”と迷惑がっています。行政は東京五輪に向けて街のイメージを変えたいのでしょうが、同時に歌舞伎町が持っていた歓楽街としての魅力は褪せてきました」
日本一の歓楽街は、大きな岐路に立たされている。
※週刊ポスト2018年7月6日号