すでに函館競馬は始まっているが、今週から東は福島、西は中京での開催となり、本格的な夏競馬となる。馬券検討としては、3歳馬と4歳以上の力関係、そして降級馬の扱いが鍵になる。調教師・角居勝彦氏の週刊ポストの人気連載「競馬はもっともっと面白い 感性の法則」より、階級馬の扱いについてお届けする。
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ダービーが終わって3歳馬と4歳以上の馬が同じレースで走るようになると同時に、4歳馬は収得賞金の取り扱いが2分の1となります。たとえば2勝して収得賞金が900万円だった馬は、これまで「1000万円以下」のレースで走っていましたが、これからは450万円として扱われることになり、「500万円以下」のレースに出て3歳1勝クラスの馬と走るようになる。
同様に3勝して収得賞金1500万円の馬はこれまで「1600万円以下(準オープン)」のレースに出走していたが、750万円となって「1000万円以下」のレースに出られるようになります。
つまり、上級クラスの馬数の調整です。中央競馬の場合、馬が一つ勝てばクラスが上がります。つまりレースの数だけクラスアップする馬が出てくる。時期が進むほど、上のクラスが混み合うわけです。
しかしレースの編成は下級条件ほど多いので、夏競馬に切り替わるときに4歳馬の本賞金を半額扱いにして、クラスを下げる。だから一般に「降級馬は強い」という評価になるわけです。
GI一直線といった王道を走る馬は別として、一つ、二つと勝ち上がり、今年4歳になったばかりの馬にとっては、「1000万円以下」のレースはまだまだ家賃が高いケースが多い。そういう馬にとって相手関係がラクになる降級制度はありがたい。1度勝った条件でもう一度走れるわけですから。