NHK連続テレビ小説『半分、青い。』が好調だ。岐阜県・梟(ふくろう)町という架空の町で1971年に生まれた楡野鈴愛(永野芽郁・18才)が、左耳の聴力を失うも、漫画家を志すために上京し、奮闘する姿を描く。6月19日の放送回では、過去最高の視聴率23.2%を記録した。
数々の恋愛ドラマを手掛けてきた脚本家・北川悦吏子の作品だけに、鈴愛と幼なじみの律(佐藤健・29才)や、上京して出会ったマアくんこと朝井正人(中村倫也・31才)との関係性も見どころの1つ。
ただ、恋愛以外にも、鈴愛の漫画家としての葛藤や、岐阜の家族との絆など注目ポイントが盛りだくさんの『半分、青い。』の裏エピソードをご紹介。
多くの共演者が驚いているというのが、永野の演技だという。東京の憩いの場であるバー「おもかげ」のマスター役・東根作寿英が語る。
「リハーサルをやったらすぐに“ゾーン”に入る感じで、毎回すごいなと思いながら見ています。“今スイッチが入ったな”という瞬間がすぐわかるんです」
鈴愛たちが通う高校の担任・山田先生としても出演し、岐阜ことばを指導している尾関伸次(38才)も話す。
「芽郁ちゃんはマアくんと仲がいいシーンの時は、待ち時間の時に、佐藤(健)くんに自然とそっけなくなったりするんですよ。普段の芽郁ちゃんって誰にも壁を作らず接しているのですが、清(古畑星夏・21才)とのとっくみあいのシーンの後は、今までに見たことのない表情になって、口数が少なかった。感情を引きずるほど、役に入り込んでいたんでしょうね」
魅力的な家族が織りなすストーリーも本作の魅力。鈴愛の1つ違いの弟・草太を演じる上村海成は、実際には永野より年上の21才。上村はオーディションでこの役を勝ち取った。
「オーディションでは、一緒に受けた子の中に、すごく朝ドラっぽい雰囲気の子がいたので、帰り道にこれは落ちたなって思っていました。合格の連絡をいただいたときは、別の役かなと思っていました(笑い)」(上村)
実は上村は永野、古畑とファッション雑誌『ニコラ』(新潮社)のモデルをしていたという接点があり、雑誌の撮影では何回も共演している。
「『ニコラ』時代はみんな学生だったので、仕事という実感があまりなかったんです。ですので、その時に一緒だった子と、仕事としての意識をもち取り組んでいる今の現場で共演するとなると、学校の友達と一緒に仕事することになっちゃったという感覚に近い気持ちなんです」(上村)
鈴愛の実家・楡野家のムードメーカーは一家のおじいちゃん、仙吉を演じる中村雅俊(67才)だという。そんな彼が、特に意気投合しているのが前出の上村だ。
2人のシーンで印象深かったのが、サザンオールスターズの『真夏の果実』を一緒に歌うシーン。昭和生まれの視聴者なら、桑田佳祐と中村の関係にニヤリとするだろう。
「雅俊さんは、“楽屋においでよ、歌の練習しよう”と練習につきあってくださったり、キーを合わせてくれたりしました。本番では雅俊さんの歌声だけを聴きたくて、途中で何回も歌うのをやめようかなと思いました(笑い)。本当に贅沢すぎる経験でした」(上村)
※女性セブン2018年7月12日号