過去の無差別連続殺傷事件を振り返る。
新幹線殺傷事件の小島一朗をはじめ、附属池田小児童殺傷事件の宅間守、神戸連続児童殺傷事件の少年A、土浦連続殺傷事件の金川真大元死刑囚、秋葉原通り魔事件の加藤智大死刑囚、そして、相模原障害者施設殺傷事件の植松聖被告…。
日本中を震撼させる犯行に及んだ犯人はいずれも男性だった。
無差別の凶悪犯罪に及んでしまう心理に、性差は関係するのか。犯罪心理学に詳しい筑波大学人間系教授の原田隆之さんが解説する。
「確かに過去の無差別殺傷事件の犯人は圧倒的に男性が多い。理由として考えられるのは、男性ホルモンに含まれる『テストステロン』という物質です」
「テストステロン」には骨や筋肉の強化や性機能の維持など、男性にとって重要な役割を持つ一方で、攻撃性や粗暴さを高める面も持っている。
「もちろん、男性であることそのものが犯罪に結びつくわけでは決してありません。大きな犯罪が起きる背景には、家庭不和やアルコール乱用など、さまざまな要因がある。その中の1つを取り出してあげつらうのは危険です。犯人のパーソナリティーや置かれた環境、脳の状態など、生物学的な面と心理学的な面の両方から分析することが求められています」(原田さん)
※女性セブン2018年7月12日号