薬の副作用には、盲点がある。医師から処方される薬については気にしていても、薬局やドラッグストアで売られている市販薬の場合、副作用の危険性など考えずに購入している人がほとんどではないか。しかし、医薬品としての効き目がある以上、市販薬にも副作用がつきまとう。命に関わる重篤な症状を引き起こすリスクを徹底調査した。
◆「副作用」の項目がない
処方薬(医療用医薬品)の場合、医師や薬剤師が対面で薬の副作用を説明するため、薬のリスクを認識しやすい。また薬とともに渡される薬剤情報提供書にも副作用の説明が記載される。
一方、市販薬は利用者が直接、副作用を説明してもらう場が少ない。市販薬は健康被害のリスクの高い順に、「第1類医薬品」「第2類医薬品」「第3類医薬品」に分類される。第1類には薬剤師からの指導と文書での情報提供が義務づけられるが、第2類と第3類の販売時には不要だ。
だからと言って、市販薬に副作用のリスクが存在しないわけではない。薬剤師で医薬情報研究所取締役の堀美智子氏が指摘する。
「薬である以上、副作用のリスクは免れません。命に関わるものも存在するため、市販薬の副作用はしっかりチェックすべきです」