先日、新幹線内で唐突に起きた殺傷事件。恐怖で身は固まるが、自分の身は自分で守るしかない。
公共交通機関のほか、エレベーターという密室でのいきなりの襲撃にはどう対処したらよいか。元警視庁SPの金井祐一さんが話す。
「危険を回避するなら、誰とも同乗しないのが基本。途中で乗ってくる人がいたら、その階か次の階で降りるべきです。どうしても同乗する必要がある場合は、行き先ボタンの近くに移動し、体を壁に付けて警戒しましょう。
それでも襲われたら、非常ボタンとすべての階のボタンを押し、大声で助けを呼ぶ。
後ろから抱きつかれた場合、つい離れようと前に逃げたくなるものですが、女性は力で男性に敵いません。犯人が後ろに倒れるよう、逆に思い切り後ろに体を押してやるのがよい。犯人が後頭部を打った隙に逃げるのです(図参照)」
帰宅途中の住宅街や、街中でも注意が必要だ。危機管理に詳しい丸谷元人さんが話す。
「携帯で話していたり、イヤホンをしていると、周りの音が聞こえない。そうなると、犯人が近づいてきても気づきにくく、いざという時に判断が遅れるから絶対にやめましょう。
かばんを車道側に持って歩くのも、ひったくりに遭いやすいため危険です。停車中の車も避けて通るべきです。
また、家の近所だからといって、夜間にパジャマなどでコンビニに行く人を見かけますが、これこそ自分の家が近いことを公言しているようなもの。パジャマや部屋着ではなく、ジーンズやスニーカーなどいざという時に逃げやすい格好にしましょう」
もし襲われた場合でも、対処法はある。
「全速力で逃げても追ってきた場合、大声で叫ぶ、犯人の急所を蹴り上げる、かばんを振り回して殴打する等が有効です。催涙スプレーの使用も効果的です。
犯人が距離を詰めてきてどうしても逃げにくい時は、背を向けて逃げるのではなく、思い切って犯人の横を通り過ぎ、そのまま走り抜けてください。踵を返している間に追いつかれてしまうからです。
走り抜けたら直進せず、早めにどこかで曲がりましょう(図参照)。姿が見えなくなれば、よりこちらに有利になります」(金井さん)
凶悪事件を起こす危険人物をどう見分ければよいか。丸谷さんが話す。