中国のネット上で6月下旬から、北朝鮮の金正恩朝鮮労働党委員長の蔑称である「金三胖(直訳すると、「金家の3代目のデブ」)が検索禁止用語になったことが明らかになった。
「金三胖」という言葉は昨年11月にいったん、検索禁止用語になったが、今年3月には検索ができるようになっていた。しかし、6月下旬以降、再び禁止用語になったようだ。この背景には、金氏が南北首脳会談や米朝首脳会談前後に3回も訪中し、そのつど国賓級の待遇を受け習近平国家主席と首脳会談を行っていることがある。
検索禁止用語になった6月下旬は19、20日の3回目の訪中直後であり、「中国最高指導部の金氏への評価が回復されたからだ」と中国問題に詳しいジャーナリストの相馬勝氏は指摘している。
中国の検索エンジンである「百度」に「金三胖」と入れても、「すみません。“金三胖”を百度で検索した結果、探すことができませんでした」との表示が出るだけだ。これは別の検索サイト「新浪」で試しても同じ。
これまでも、「金三胖」は2度も検索禁止用語になったこともあったが、ほとぼりが冷めたためか、再び検索が可能になっていた。
前回は昨年11月で、北朝鮮側が中国当局に激しいクレームをつけたためと中国メディアは推測していた。これについて、中国外務省の耿爽スポークスマンは記者会見で「関連報道と事実は異なる」としながらも、「強調したいのは一国の国家指導者に侮辱的でばかにする言葉を使うことを賛成しないということだ」と説明していた。