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会見で決して下を向かない長谷部の神対応を心理士が分析

キャプテン長谷部の神会見ももう見られない(代表撮影/JMPA)

 臨床心理士・経営心理コンサルタントの岡村美奈さんが、気になった著名人やトピックスをピックアップ。記者会見などでの表情や仕草から、その人物の深層心理を推察する「今週の顔」。今回は、W杯ロシア大会から帰国した長谷部選手に注目。

 * * *
 日本代表キャプテンとして帰国会見を行った長谷部誠選手の表情は清々しいものだった。代表引退を表明した長谷部選手にとって、この会見がキャプテンとしての最後の公式的な仕事。負けた直後のインタビューでは、「言葉にするのが難しい」と目を赤くして、声を震わせていたが、会見では「素晴らしいサポートをありがとう」と笑顔で感謝を述べた。

 5人の監督のもとでキャプテンを務めて8年、選手たちからもキャプテンとして尊敬され、信頼されてきた長谷部選手。吉田麻也選手はそんな長谷部選手を「口うるさくて真面目、頑固で面倒くさい」としながら、「彼ほどチームのためを思って行動できる人間はいない」と、引退に涙ぐんだ。チームのためを思って行動する姿勢は、長谷部選手の会見のあちらこちらに見えていたと思う。

 サッカーワールドカップロシア大会、決勝トーナメントで強豪ベルギーを追い詰めた試合では、一時は日本が勝てるかも…と思わせる展開に。残念ながら最後の最後に逆転されてしまったが、大方の予想を裏切るような、見ているだけで手に汗握る戦いぶりだった。帰国した日本代表を出迎えたのは、空港に駆け付けた800人の大きな歓声だ。

「大会前は期待されていなかった」と、苦笑いを見せた長谷部選手は、「無関心というのが個人的には怖い」とも話す。大会前の合宿では選手たちが口を揃えて「期待されない状況をひっくり返してやろうという気持ちを持っていた」と、頬を緩ませながらその時の心境を語った。彼は常にチームや選手たちを中心に据えて話をする。

 無関心どころか、連日メディアを中心にサッカーの話題で盛り上がっていた日本。「やってやったじゃないけど、そういう気持ちもある」と、苦笑いが笑顔に変わった。日本代表チームと日本のサッカーに関心を持ってもらい、「期待を取り戻したい」という目的は達成できたのだろう。

 だが、ベスト8進出という目標は達成できなかった。ベスト16という結果について聞かれると、閉じていた口元をきつく結んで唇を巻き込んだ。そしてそのまま、口先をすぼめるようにわずかに尖らせる。この仕草から、ベスト16という結果が不本意であり、不満であることがわかる。

 ブラジルからの4年間を振り返り、「悔しさを持った選手たちが、ここまでチームを引っ張った」と視線を上げた。一緒に戦った彼らの姿がその脳裏に思い浮かんでいるのだろうか。「ロシアに向けての共通した思いが強かった」と、さらにぐっと視線を上げる。だが「その思いが、グループステージ突破につながった」と言ったものの、一瞬、そこで言葉に詰まったように息を飲み込むと、あごを引いて額にシワを寄せた。この結果には満足感がないのだろう。「この悔しさを告げにカタールに」とまっすぐに前を向いた。

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