海でのレジャーを楽しむ人も増えてくるのが夏。しかし、水難事故死の約半数が海での事故が原因であり、決して安心して遊べるわけではないのだ。
溺れて海水を飲むと、気道が塞がれて窒息してしまう。救急救命が専門の東京曳舟病院院長の山本保博さんはこう話す。
「海に落水したり、溺れたら、仰向けになって浮いて助けを待つことが命を守ることにつながります。泳ごうとしたり、もがいたりすると、足がつったり筋肉のけいれんを起こし、最悪の事態につながることも」
その一方で、海水に浸かっていると、水を飲むことを忘れる人が多いという。
「大量の汗をかき、血中の水分が減ると、筋肉が痛くなるなど、熱疲労の症状が起こります。異変を感じたら日陰で安静にし、半分の濃度に薄めたスポーツドリンクを少しずつ飲んでください。1回に飲む量はコップ1杯程度で充分です」(山本さん)。
海でのレジャーにつきものなのが日焼け。しかし日焼けは“やけど”だということを忘れてはいけない。
「皮膚がひりひりと痛んだら、まず患部を冷やしてください。海水浴では、体の一部というより、全体がまんべんなく焼けるので、弱めに出した水シャワーを10~15分患部にかけるのが効果的。水泡ができたらつぶさずガーゼで保護を。つぶれたら、薬などはつけず、中の液体を出して病院へ。放っておくと感染症になったり、跡が残ります」(山本さん)
※女性セブン2018年7月19・26日号