夏になると、海や山、川といったアウトドアでのレジャーを楽しむ人が増えるだろう。しかし、アウトドアにはハプニングがつきもの。そこで、「骨折」「やけど」「流血」というアウトドアで起こりがちな症状に対する、基礎的な応急手当の方法を紹介する。
【骨折】折れた骨が動かないように固定すること
転倒などにより、ねんざや骨折をする人は多い。ねんざも骨折も応急手当の方法は同じで、安静にして患部を冷やし、折れたと思しき骨が動かないように包帯などで固定してから病院に行くこと。骨折は適切な応急手当ができたかどうかで、その後の回復に大きな差が出るという。救急救命が専門の東京曳舟病院院長の山本保博さんはこう話す。
「ねんざとは違い、骨折は折れた部分を動かすと、骨が皮膚を突き破ることがあります。そうなると回復まで時間がかかりますし、大量の出血を伴うので、命を落とすことも。ですから、骨折をしたらまず、骨がそれ以上動かないようにするのが大切。患部に添え木をあてて、包帯などで固定してください。板がなければ段ボールや傘などでもOK。この時、必要以上に締めつけないように気をつけてください。骨折は激しい痛みが伴い腫れあがります。その場で応急手当をしたら一刻も早く病院に行きましょう」
【やけど】民間療法は絶対×。流水で冷やして
バーベキューなどでやけどをしてしまった時は、すぐに水で冷やすこと。
「近くに水道があれば、バケツや洗面器などに水をため、そこに患部をひたして水を流しながら冷やしてください。“3分冷やして1分休ませる”のを5回繰り返すのが目安です。それでも痛みや腫れが治まらない時は、痛みが引くまで続けてください」(山本さん)
意外と多いのが、その場にあるみそや梅干を塗るといった民間療法で応急処置をする人だという。
「これは絶対にやめてもらいたい。やけどした皮膚は、免疫力が落ちているため、化膿する可能性があります。冷やした後は、市販の防水フィルムなどで患部を保護し、病院へ。水泡ができた時はつぶさずにガーゼなどで患部を保護し、自然に治るのを待ってください。つぶすと感染症につながることも」(山本さん)
【流血】鼻や耳からの出血は危険。すぐに救急車を
転んで手足を傷つけたなど、出血を伴うけがをした場合は、まず止血を。
「血を見ると焦る人が多いのですが、まず落ち着きましょう。 動揺したら、“献血では400mlも採るんだから大丈夫”と考えてみて。手当の方法は、まず患部を流水で洗い流してきれいにし、清潔なガーゼなどで患部をギュッと押さえるなどして、直接圧迫します。この時、患部を心臓より高い位置にあげると、血は早く止まります」(山本さん)
注意したいのは、高いところから落ち、体を強打して鼻血が出てしまうケース。
「この場合は、すぐに救急車を呼んでください。耳や鼻などから出血がある場合、脳を損傷している可能性があります。なるべく動かさずに、救急隊員の到着を待ってください」(山本さん)
※女性セブン2018年7月19・26日号