夏のアウトドアでの遊びを楽しみにしている方も多いだろう。しかし、アウトドアには危険もいっぱい。危険の中でも、ここでは、熱中症と虫刺されの対策をお伝えしよう。
熱中症とは、高温の環境に一定時間とどまっていると起こる、さまざまな障害の総称。主な症状は、意識がもうろうとする、高熱が出るなど。定期的に水を飲む、帽子をかぶるなどで対策を。救急救命が専門の東京曳舟病院院長の山本保博さんはこう語る。
「めまいや疲労は熱中症のサイン。そんな症状が現れたら、風通しのよい日陰で休息を。症状が治まらない時は、首筋、両脇、太もものつけ根部分を、氷のうなどで冷やしてください。 水分補給をする時は、スポーツドリンクを少量ずつゆっくりと飲むこと。冷水を一気に飲むと、暑さで弱った胃腸に負担をかけ、症状を悪化させることもあります」
けいれんを起こしたり、意識を失うような場合は、命にかかわる。すみやかに救急車を呼ぶこと。
続いて、虫刺されはどうだろう? 対策としては、虫よけスプレーをかけ、肌の露出を控えよう。白っぽい服を着るのも効果的だという。自然体験活動推進協議会の三好利和さんはこう言う。
「蜂の場合、黒っぽい服装の人を、巣を襲う天敵の熊と勘違いし、向かってくる可能性があります。黒髪も帽子で隠しましょう」
では、虫に刺されたらどうすべきか。
「流水で患部を洗い流し、清潔な状態にします。それから、虫刺され用の市販薬を塗って様子を見つつ、悪化したら病院へ。スズメバチなど、毒を持った虫に刺された場合は、患部から毒を絞り出し、洗って冷やしてから病院へ。口で吸い出すのは口内の傷から体内に毒が入ることもあるので絶対にしないでください」(山本さん)
では、さまざまなトラブルが発生するアウトドアで持っていくべき救急アイテムとは?
必ず持って行くべき3つの“救急三種の神器”は、(1)水を入れて凍らせた500mlのペットボトル2本(2)和てぬぐい(3)あめ、だ。
「凍らせたペットボトルは、熱中症になった時、体を冷やすのに使えるうえ、水を入れておけば、水分補給だけでなく、傷口を洗い流すのにも使えます。和てぬぐいは、薄くて縛りやすく、手で裂けるので、止血や傷の保護、骨折時の添え木の保定にも使えます。そしてあめは、栄養補給用。遭難した時に、命をつないだ例もあるほどです」(山本さん)
救急セットに加えておこう。
※女性セブン2018年7月19・26日号