在日ベトナム人の数は約26万人で、外国人全体の10%程度に過ぎない(2017年末)。しかし今、外国人犯罪の約3割をベトナム人が占めている。在日ベトナム人社会の闇を、長年、在日外国人問題を取材するジャーナリストの出井康博氏が報告する。
* * *
在日ベトナム人犯罪の増加が続いている。2017年に全国の警察が検挙したベトナム人の犯罪は5140件と、前年から約6割増え、国籍別で中国人を抜いてトップとなった。在日中国人が73万人、同ベトナム人が26万人という数字からすると、犯罪に手を染めるベトナム人の多さに驚く。12年からの5年間では3.5倍以上の急増である。
「ベトナム人の犯罪について知りたいなら、SNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)を見てください。日本人の知らない世界がありますから」
そう話す事情通の在日ベトナム人に、ベトナム語のSNSを案内してもらった。
ベトナム人に人気の高いSNSの1つが「フェイスブック」だ。そのフェイスブックには、「TOKYO BAITO」という言葉の入ったベトナム語のグループが複数ある。もともとはベトナム人留学生に向けて日本でのアルバイト情報を掲載・共有するためにつくられたグループだが、最近では怪しい投稿が目立つという。盗品や偽造品の闇取引、犯罪への勧誘などが増えているのだ。たとえば、こんな投稿である。