ライフ

揺らぐ「高齢者」の定義 「准高齢者」登場など見直しも進む

何歳から「高齢者」か

 人間の体の状態は「5歳違う」だけで大きく変わってくる。都内在住の75歳のA氏は、こんな“実感”を口にする。

「5年前までは信号が変わるのと一緒のタイミングで歩き始めたら、点滅し始めるまでに横断歩道を渡り切れたのに、最近は点滅に急かされるようになりました。“あぁ、歩くスピードが遅くなったんだな”と老いを感じていますよ」

 横断歩道の歩行者専用信号の「青」は一般的に、秒速1メートルで渡り切れるよう設定されている。A氏は5歳年を取ったことで、そのスピードに追いつかなくなってしまったわけだ。こうした実感は多くの人が持っている。

 内閣府が全国の60歳以上の男女6000人を対象に行なった「高齢者の日常生活に関する意識調査」(2014年度)での、「自分は高齢者だと感じますか」との質問に対して、「はい」と回答した割合を見ると、5歳刻みで全く答えが違っている。

 60~64歳では10.3%しかいなかった「自分を高齢者だと思う人」が、65~69歳は24.4%になり、70~74歳では47.3%、75~79歳で66.2%に達している。

 同調査で「高齢者だと感じる理由」のトップに挙がったのが「体力の低下」だ。多くの人が自分の体が「5年前とは全然違う」という感覚を持っているのである。

 にもかかわらず、氾濫する健康情報から行政の区分に至るまで、判で押したように「65歳以上は」「75歳以上は」といった大まかな分け方しかしていない。関西地方に住む67歳の自営業男性はこう嘆く。

関連キーワード

関連記事

トピックス

天皇陛下にとって百合子さまは大叔母にあたる(2024年11月、東京・港区。撮影/JMPA)
三笠宮妃百合子さまのご逝去に心を痛められ…天皇皇后両陛下と愛子さまが三笠宮邸を弔問
女性セブン
歌舞伎俳優の中村芝翫と嫁の三田寛子(右写真/産経新聞社)
《中村芝翫が約900日ぶりに自宅に戻る》三田寛子、“夫の愛人”とのバトルに勝利 芝翫は“未練たらたら”でも松竹の激怒が決定打に
女性セブン
胴回りにコルセットを巻いて病院に到着した豊川悦司(2024年11月中旬)
《鎮痛剤も効かないほど…》豊川悦司、腰痛悪化で極秘手術 現在は家族のもとでリハビリ生活「愛娘との時間を充実させたい」父親としての思いも
女性セブン
ストリップ界において老舗
【天満ストリップ摘発】「踊り子のことを大事にしてくれた」劇場で踊っていたストリッパーが語る評判 常連客は「大阪万博前のイジメじゃないか」
NEWSポストセブン
紅白初出場のNumber_i
Number_iが紅白出場「去年は見る側だったので」記者会見で見せた笑顔 “経験者”として現場を盛り上げる
女性セブン
弔問を終え、三笠宮邸をあとにされる美智子さま(2024年11月)
《上皇さまと約束の地へ》美智子さま、寝たきり危機から奇跡の再起 胸中にあるのは38年前に成し遂げられなかった「韓国訪問」へのお気持ちか
女性セブン
野外で下着や胸を露出させる動画を投稿している女性(Xより)
《おっpいを出しちゃう女子大生現る》女性インフルエンサーの相次ぐ下着などの露出投稿、意外と難しい“公然わいせつ”の落とし穴
NEWSポストセブン
田村瑠奈被告。父・修被告が洗面所で目の当たりにしたものとは
《東リベを何度も見て大泣き》田村瑠奈被告が「一番好きだったアニメキャラ」を父・田村修被告がいきなり説明、その意図は【ススキノ事件公判】
NEWSポストセブン
結婚を発表した高畑充希 と岡田将生
岡田将生&高畑充希の“猛烈スピード婚”の裏側 松坂桃李&戸田恵梨香を見て結婚願望が強くなった岡田「相手は仕事を理解してくれる同業者がいい」
女性セブン
電撃退団が大きな話題を呼んだ畠山氏。再びSNSで大きな話題に(時事通信社)
《大量の本人グッズをメルカリ出品疑惑》ヤクルト電撃退団の畠山和洋氏に「真相」を直撃「出てますよね、僕じゃないです」なかには中村悠平や内川聖一のサイン入りバットも…
NEWSポストセブン
注目集まる愛子さま着用のブローチ(時事通信フォト)
《愛子さま着用のブローチが完売》ミキモトのジュエリーに宿る「上皇后さまから受け継いだ伝統」
週刊ポスト
イギリス人女性はめげずにキャンペーンを続けている(SNSより)
《100人以上の大学生と寝た》「タダで行為できます」過激投稿のイギリス人女性(25)、今度はフィジーに入国するも強制送還へ 同国・副首相が声明を出す事態に発展
NEWSポストセブン