今から40年以上前の1975年10月31日、昭和天皇は史上初の宮中での公式記者会見に臨み、その場で記者からこんな質問を受けられた。
「テレビをよくご覧になられるかと思いますが、たとえばどういう番組をご覧になりますでしょうか」
昭和天皇の答えは、次のようなものだった。
「テレビはいろいろ見てはいますが、放送会社の競争がはなはだ激しいので、今どういう番組を見ているかということには答えられません」
もしも特定の番組名を答えたら、それはその番組に「権威」を生じさせ、他番組との間に差を生んでしまう──。
「昭和天皇はそれを恐れたのです。日本人の皇室への敬愛と信頼を、そうしたことに利用してはいけないし、公の言動一つひとつに自覚的であらねばならないとお考えでした」(皇室ジャーナリスト)
そうした思慮深さは陛下を中心とした現在の皇室にも受け継がれている。それと比べると、眞子さま(26才)と「婚約内定」した今回の小室圭さん(26才)の行動は軽率にも感じられてしまう。
7月6日(日本時間)、米フォーダム大学ロースクール(ニューヨーク)がウェブサイト上に驚くべき文書を公開した。同大には、小室さんが3年間の予定で留学すると報じられていた。
さらにそこには《日本のプリンセス・マコのフィアンセであるケイ・コムロを受け入れる》と書かれていたという。しかし、一般の結納にあたる『納采の儀』は延期されており、まだ婚約は成立しておらず、正式に小室さんは眞子さまのフィアンセ=婚約者ではないのだ。このような表記となったのは小室さんの“自己申告”があったからであろうということで、宮内庁の関係者も困惑しているという。
「奨学金を利用して留学するという話を聞いたとき、秋篠宮さまも眞子さまも、それは小室さんが努力と実力で勝ち取った権利だと信じていらっしゃったはずです。ところが、あのウェブサイトを見ると“そのうち、今の天皇陛下の義理の孫になること”が、奨学金給付の要因として決定的に作用したように見えます。これでは、小室さんが婚約者のように振る舞い、“皇室を私的な利益のために利用した”と受け止められても仕方ないかもしれません」(皇室ジャーナリスト)