7月から新しいクールのドラマが始まったが、各局のラインナップの中にまたしても波瑠(27才)の名前を見つけた。今回は、連続ドラマ『サバイバル・ウェディング』(日本テレビ系)で主演を務めている。波瑠の連ドラ出演が続くのはなぜなのか? コラムニストでテレビ解説者の木村隆志さんが分析する。
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「ずっと出ているな」という感覚ではないでしょうか。事実、波瑠さんは、今年1~3月クールで『もみ消して冬~わが家の問題なかったことに~』(日本テレビ系)、4~6月クールで『未解決の女 警視庁文書捜査官』(テレビ朝日系)、7~9月クールで『サバイバル・ウェディング』に出演。
昨年も1~3月クールで『お母さん、娘をやめていいですか?』(NHK)、4~6月クールで『あなたのことはそれほど』(TBS系)、一昨年も4月2日まで朝ドラ『あさが来た』(NHK)、4~6月クールで『世界一難しい恋』(日本テレビ系)、7~9月クールで『ON 異常犯罪捜査官・藤堂比奈子』(フジテレビ系)に出演しました。
この3年間、12クール中9クールの連ドラに出演し、しかもすべて主演かヒロインを務めたのです。さらにこの間、3本のスペシャルドラマに出演し、今秋には映画2作も公開予定。バイプレーヤーの中堅男優ならまだしも、主演級の若手女優は「多くても年2本まで」と言われる中、なぜこれほどの超ハイペースで出演を重ねているのでしょうか。
◆演技力よりイメージが重要な時代
3年間で波瑠さんが出演した作品のジャンルは、刑事モノ2作、恋愛モノ2作、夫婦モノ1作、母娘モノ1作、家族モノ1作、朝ドラ1作。作品ジャンルが多岐に渡る上に、民放各局やNHKを総ナメ状態であることから、さまざまなプロデューサーが「今、最もキャスティングしたい女優」である様子がうかがえます。
その理由は、視聴者が波瑠さんに抱くイメージの良さ。現在、連ドラは「視聴率2桁をキープすることが難しくなっている」一方、「ネットニュースやSNSではトップクラスのネタになっている」という矛盾を抱えています。
そのため主演やヒロインに求められているのは、視聴率2桁をキープできる知名度の高さと、ネットニュースやSNSで好意的に扱ってもらえるイメージの良さ。あるプロデューサーとの雑談中、「今は視聴者のイメージが演技力より重要」という言葉を聞いたくらいです。
その他でテレビマンたちから聞くのは、「波瑠さんは年齢性別を感じさせないムードがあるから、どんなジャンルのどんな役でも違和感が出にくい」という声。フラットな佇まいだから、キュートなOLから、熱血刑事、ドS弁護士、闇を抱える女性まで、さまざまな役柄のオファーがあるのでしょう。
朝ドラ出演まで50作以上の助演を務めあげた地道な経歴と、元『Seventeen』『non-no』モデルらしい華やかさを知っているテレビマンたちの評価は、一般の視聴者以上に高いのです。
◆ハードな撮影とバッシングに耐える心身の強さ