ライフ

猛暑の嘆き方を指南 「この時期はモウショうがない」ほか

半端ない暑さが続く(写真:アフロ)

 猛暑が続く。そこかしこで嘆きが聞こえる。こんな時こそ“違い”を生み出すチャンスだ。「大人力」を日々研究するコラムニストの石原壮一郎氏が指摘する。

 * * *
 連日のようにニュースでは「命に関わる危険な暑さ」という、これまであんまり聞いたことがないフレーズが叫ばれています。18日には岐阜県多治見市で、国内で5年ぶりの40度超えとなる40.7度を記録。19日は全国206地点で猛暑日となり、この夏の最高記録を更新しました。まったくもって、この夏の猛暑っぷりは半端ではありません。

 今日も大人たちは、寄るとさわると「暑いですねー」「どうにかしてほしいねー」と暑さを嘆き合っていることでしょう。ここまで暑さが続くと、毎度同じように「暑い、暑い」と言うのもなんだか芸がない気がします。ひと味違う「猛暑の嘆き方」に果敢に挑んで、大人の知性と貫禄を漂わせたいところ。それがおっさんなりの「猛暑との戦い方」です。いくつかのパターンを考えてみましょう。

●嘆き方その1「社会に対する怒りや批判を乗っける」

 わりとお手軽で、簡単に自分が偉くなったように感じられるので、世代を超えてそこそこ広まっています。「まだまだエアコンが設置されていない小中学校が多いこと」「2年後にはこの暑さの中でオリンピックが行なわれること」「これだけ言ってもエアコンを使わずに熱中症になる高齢者が多いこと」といった社会批判を語りながら暑さを嘆けば、意識の高さや知性らしきものを示すことができます。

 ただし、自分は気の利いたことを言っているようでも、すでにどこかで何百回も聞いた話なので、相手はこっちが思っているほど感心してはくれないのが難。しかも、力を込めて語れば語るほど暑苦しさが漂います。周囲の若者に「このおっさん、どうにかしろよ」と思われる可能性も無きにしも非ず。熱くなりすぎないように気をつけましょう。

●嘆き方その2「ボジョレー・ヌーボーの評価に学ぶ」

「50年に一度の出来栄え」(2009年)、「近年の当たり年である2009年と肩を並べるクオリティ」(2014年)、「我がワイン人生最良のヌーボー」(2015年)など、毎年のボジョレー・ヌーボーの評価は「そう来たか」と感心させられます。これまでの表現を応用して、暑さを嘆くフレーズを作ってみました。

「観測史上もっとも暑い夏と言われた2010年を上回る暑さ」
「気温と湿度のバランスが絶妙に過酷」
「我がサラリーマン人生最高の暑さ」
「今世紀で最高に暑さが申し分ない夏」
「豊満で朗らか、絹のようにしなやか。しかもフレッシュで輝かしい夏」

 最初に「毎年、ボジョレーの評価のコピーには感心させられるけど」といった前置きをつけた上で、おもむろにこうしたフレーズを繰り出せば、エレガントな大人っぷりを感じさせることができるでしょう。対面でもメールでも、どんどんお使いください。最後のは暑さが表現できているかどうか微妙ですが、ボジョレー感は強く押し出せます。

関連キーワード

関連記事

トピックス

中居の“芸能界の父親代わり”とも言われる笑福亭鶴瓶
《笑福亭鶴瓶の冠番組が放送休止》「このタイミングでなぜ…」疑問にテレビ局広報が回答した“意外な理由”「一連の報道とは関係がありません」
NEWSポストセブン
『ワイドナショー』でのコメントが炎上している安藤優子
《安藤優子キャスターの夫にも波及》フジテレビ問題、制作会社スタッフに広がる不安「“3割カット”からさらに削られる」
NEWSポストセブン
中居正広の“危うさ”を警告していた木村拓哉
木村拓哉、“中居正広の危うさ”を警告していた 女性への横柄な接し方を「改めた方がいい」と忠告するも中居は激高、2人の間の溝は決定的に
女性セブン
かつて中居との交際が報じられた、元フジテレビの中野美奈子アナ(時事通信フォト)
元フジテレビ超人気アナ・中野美奈子(45)に直撃 “フジ上納システム”はあったのか “中居正広との本当の関係”は?「今のアナはすごいストレスを感じている」
NEWSポストセブン
ダルビッシュ有と紗栄子の長男がモデルとして表紙を飾った
紗栄子の長男がモデルデビュー 英名門校に通う16才はスポーツには興味を示さない文科系男子の素顔、ゲームクリエイターになりたいとの夢も
女性セブン
裁判で大谷翔平の私生活を暴露した水原一平被告(時事通信フォト)
水原一平被告、裁判で暴露した大谷翔平の私生活“婚前契約”の存在も明かす 「24時間365日待機」「激務なのに低賃金だった」との主張を繰り広げる
女性セブン
ポケモンに笑顔を見せた佳子さま(時事通信フォト)
佳子さま、ゲームファンが歓喜した『ポケモン』プレイ済み発言 秋篠宮家は“ゲーム厳禁”の教育方針なのに「技を繰り出して捕まえたりもしました」
週刊ポスト
地元の知人にもたびたび“金銭面の余裕ぶり”をみせていたという中居正広(52)
「毎年フェラーリ買えんじゃん!」友人も驚く“貯金100億円説”の中居正広(52) “違約金貧乏”になる可能性は《弁護士がケース解説》
NEWSポストセブン
Aプロデューサーを知る加藤浩次
「俺が知っているアイツは、そんなタイプじゃない…」極楽・加藤浩次が答えた「フジ編成幹部A氏」の印象《フジ騒動直撃》
NEWSポストセブン
広島・大久野島でウサギを蹴ったとして逮捕された堀田陸容疑者(写真提供/うさぎ写真家uta)
《ウサギを蹴り飛ばして逮捕》容疑者は有名メーカー関連会社の社員だった 同僚は「口数は少なく、社内でもほとんどひとりだった。真面目で寡黙な人という印象」
女性セブン
ドジャース・大谷翔平選手、元通訳の水原一平容疑者
《水原一平の裁判資料で発覚》大谷翔平が激怒した「ギャンブルコラ画像」の販売「名声と善意を傷つけられた」検察は被告を「強欲」と糾弾
NEWSポストセブン
フジテレビの社長を辞任することを発表した港浩一氏(左/時事通信フォト)
《X子さん強制参加の誕生日会》フジ・港浩一社長が語った“編成幹部A氏関与”と「楽しませていただいてありがたかった」「思いが至らなかった」
NEWSポストセブン