いよいよ夏休みがスタートし、子供が外で遊ぶことも増えてくる。そんな時期に心配になるのが、子供の連れ去りだ。47才主婦はその恐怖について、こう話す。
「これは私の子供が通う小学校で起きた事件です。午後3時過ぎ、子供たちは10人くらいで、校庭でボール遊びをしていました。当時学校には、校舎の一部を改修するため、工事の作業員が入れ代わり立ち代わり、歩き回っていました」
不審者は、よく“観察”している。学校に外部の人間がいても怪しまれないこの瞬間を狙っていたのだろう。
「作業服姿の若い男が、校庭で遊ぶ子供たちに近づいてきました。そして、いちばん小柄な小学2年生の女の子を指さし、“おい、ちょっと来い”と、怒った口調で命令したんです。大人に声をかけられ、無視するわけにもいきません。少女は男に恐る恐る歩み寄りました。
まわりの生徒たちも、不思議には思ったものの、それを止めることなく眺めていました。すると、男は少女の腕をつかんで校舎内に消え、15分後、何事もなかったように悠然と校庭を歩いて小学校を出ていきました。その間、何人もの教師とすれ違っているのですが、誰も不審に思わなかったそうです」
少女が帰ってこないため、心配したクラスメートが先生に報告して捜すと、男子トイレの前で座り込んで泣いている彼女を発見。少女は男にトイレの個室内でわいせつ行為をされていた。
その事件以降、学校では外部の人間が入り込まないよう入館証を配布したりと、対応を強化したが、こうした不幸な被害が出てからでは遅い。学校だから守ってもらえて当然と過信せず、子供たちとも情報は共有し、自己防衛の方法を教えておいた方がいい。
※女性セブン2018年8月2日号