放送作家でコラムニストの山田美保子氏が独自の視点で最新芸能ニュースを深掘りする連載「芸能耳年増」。今回はジャニーズの人気グループ・Kis-My-Ft2について。
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「世間の皆さんは、私たちが思っている以上に48に興味がないということです」
6月16日、『AKB48世界選抜総選挙』のステージで、こう語ったのは、自己最高の2位に輝いたSKE48チームEリーダーの須田亜香里だった。それは、この1年、彼女がテレビ番組や雑誌など、多くのメディアに出演した際に感じたことだそうで、スタッフや共演者、編集者、カメラマンらに、思ったほどチヤホヤされない現実をストレートに表現したものである。
48グループのみならず、女性アイドルにしても、男性アイドルにしても、普段から熱烈に応援してくれているファンに囲まれていると、その環境が全てになってしまいがちなのだろう。
各仕事現場での様子を「あなたは何ができるんですか? 何を伝えられますか?ってことを常に問いかけられて、求められます」とも言った須田は、それまで「全く期待されず」「デビューのスタートから3年以上、劇場公演の一番端がポジションだった」からこそ、自分も、グループも、48グループ全体も、客観視できる、冷静な面をもっている。だからこそ気づけたし、経験できた、貴重な出来事の数々だったと思われる。
そんな須田亜香里のスピーチを、7月16日、西武ドーム(メットライフドーム)で行われた「Kis-My-Ft2 LIVE TOUR2018 Yummy!! you&me」を見ながら思い出していた。
Kis-My-Ft2(以下、キスマイ)は、ジャニーズ事務所所属のアイドルだ。グループ名は、命名の天才でもあるジャニー喜多川氏によるもので、Ki=北山宏光、s=千賀健永、M=宮田俊哉、y=横尾渉、F=藤ヶ谷太輔、t=玉森裕太、2=二階堂高嗣だ。さぁ、ジャニーズファン以外の方には何人の顔と名前が一致するだろう。
デビュー曲が発売されたのは2011年の8月10日なので、今年7周年を迎える。他のグループがそうであるように、ジャニーズJr.時代から先輩歌手のバックとしてテレビや舞台に出演。このメンバーに固定されたのは早く、デビュー前と同じグループ名のままでCDデビューできた、実はジャニーズ事務所の中でも数少ないグループの一つでもある。
デビュー時、“前の3人”と“後ろの4人”に歌割りから衣装の色まで「格差」があったのは有名な話。それはもちろん、戦略の一つだったのだが、“後ろの4人”は、さまざまな想いがあったことが想像できる。特に二階堂は北山に「なんとかならないのか」と度々直訴をしていたと聞く。