SNSが普及する昨今、誰もが炎上する危険性にさらされている。アラ還記者「オバ記者」こと野原広子も(61才)も、突然の炎上を経験した一人だ。オバ記者がネットとの向き合い方を振り返る。
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私が“炎上”していることを知ったのは、2年前、本誌・女性セブンで連載していたエッセイ『腹立ち日記』をネットにもアップしていた頃。友人M子の「『腹立ち日記』のコメント欄、大変なことになってるわよ」という一言から。
「何それ?」
で、開いて見てビックリしたなんてもんじゃない。いきなりライターの命、文章攻撃だもの。
「この程度の文章力でお金がもらえるのか。楽な商売だな」
「頭の悪さが文章ににじみ出ている」
私は多くの見ず知らずの人から憎まれているらしい。
「住んでいる街とか、行く店とか、特定されるようなことは書かない方がいいよ」と“ネット通”からアドバイスされてからは、夜道が気味悪くなった。
安倍昭恵さんのことを書いたときは、「言ってやろうか。名家のお嬢さんと茨城女のお前とは人種が違うんだよ」と毎日クソミソ。
わが子4人を東大医学部に入学させた“佐藤ママ”を取り上げたときは、「東大理IIIがどれだけすごいところか、高卒おばさんに何がわかる」という意味のコメントが多かった。
私が書いたのは学歴の話じゃなくて、母のお手柄で東大に入学したことが世間に知られている子供たちの居心地、なんだけどな。私は朝に晩にパソコンを開き、腹を立てていた。反論を書き込みたくなったことも1度や2度じゃない。
でもある日、急にアホくさくなったんだわ。電気代つかって、老眼に負担をかけて、不愉快の種を探しているのが。そんなわけで今、パソコンに期待するのは利便性だけ。
テレビニュースで、「ハザードマップ」と聞くと自分の地域を調べ、バイクで出かけようと思った次の瞬間には駐輪場を探す。
そのバイクもヤフオクで3万5000円で買ったものだ。人と仲よくなるのも、けんかをするのも、面と向かうのがいちばんと私は思っている。
※女性セブン2018年8月2日号