医学が目覚ましい進歩を見せる一方で、いま「漢方」の力が見直されている。2000年以上の伝統を持ち、西洋医学の薬とは違った作用機序による効果が期待できる漢方薬を、様々な分野の名医たちが、改めて高く評価しているのだ。
では、どの漢方を、どんな状況・タイミングで飲めばいいのか。整形外科医の清水伸一氏が「自分でも飲んでいる漢方」を明かす──。
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患者からの悩みに応える上で、選択肢を増やそうと7~8年前から東洋医学の勉強を始めました。自分で試して効果を実感できたものを患者にも勧めています。
仕事柄、下を向いてカルテを書くことが多く、首が痛くなることが多い。以前は消炎鎮痛剤のロキソニンを飲んでいましたが、副作用である胃部の不快感が出てしまう。
そこでツムラの医療用漢方製剤の葛根湯(カッコントウ)と通導散(ツウドウサン)を朝晩の1日2回、食事の30分前に飲むようにしたところ、激しい痛みは出ることが少なくなりました。漢方で痛みが収まらない時だけ加えてロキソニンを飲むようにしています。
マラソンの練習で膝の半月板を損傷してしまった時も、ロキソニンに加えて防已黄耆湯(ボウイオウギトウ)を飲んだところ、腫れと痛みが引きました。
飲んでいるのは市販の液体ではなく、効果を得やすいとされる医療用の顆粒タイプ。食事が不味くならないよう、食事の直前ではなく30分前に飲むようにしています。
●清水伸一/60歳。清水整形外科クリニック院長。日本整形外科学会専門医。1988年、埼玉医科大学医学部卒業後、茨城県立中央病院、埼玉県よりい病院等を経て現職。
※週刊ポスト2018年8月3日号