NHK連続テレビ小説『半分、青い。』で、永野芽郁(18才)演じる主人公・楡野鈴愛が師事する少女漫画家・秋風羽織(豊川悦司・56才)にはモデルがいた。それが、くらもちふさこさんだ。画業45周年を迎えてなお、名作を生み続けているくらもちさんが、ドラマの制作秘話や少女漫画界のリアルについて語った。
NHK連続テレビ小説『半分、青い。』(東京・胸騒ぎ編・第7~14週)に、漫画家・秋風羽織の作品として登場するや、「懐かしい」「この漫画って本当にあるの?」などと、新たなファンを巻き込んで話題になっているのが、漫画家・くらもちふさこさんとその作品だ。一体どういう経緯で、ドラマに登場することになったのだろうか。
「ドラマが始まる2年ほど前に、脚本家の北川悦吏子さん(56才)から直接、“絵を使っていいですか”と、連絡をいただいたんです。その時は、背景の小物として登場する程度かと思い、すぐに快諾したのですが、まさか、ここまで大きく扱ってくださるとは。若い世代のかたにも改めて作品を読んでもらえる機会が増えました」(くらもちさん、「」内以下同)
ドラマに登場する漫画作品『いつもポケットにショパン』、『東京のカサノバ』、『アンコールが3回』、『A-Girl』、『海の天辺』は、いずれも1980年代の少女漫画を“実際に”牽引した作品ばかり。
さらに、ドラマ内では、漫画家の生活や仕事風景などもリアルに再現され、これらも、くらもちさんの経験が生かされている。
「私は、ストーリーにはノータッチ。監修したのは、ペンなどの作画道具の使い方や仕事の流れ、原稿料など、漫画の仕事にかかわる部分です。作品やアドバイスさせていただいた内容が、どうストーリーに反映されているかは、ドラマが放映されないとわからない。私は基本的にいち視聴者なんです。あ、ここで出てきたんだ、なんて、毎回ワクワクしながら見ていました」
◆私にも鈴愛と同じスランプがありました
ドラマでは、漫画の仕事風景がかなりリアルだったというが、秋風羽織先生と鈴愛のような師弟関係も実際にあるのだろうか。例えばドラマでは、鈴愛がスランプに陥って締め切りに間に合わなくなる。それを見越した秋風先生が、代わりの原稿を用意する師弟愛を見せていた。
「アシスタントの作品について、アドバイスをしたり、サポートしてくれる先生もいらっしゃいます」