高級食材を使って料理すればおいしいのは当然。たとえ“それなり”の食材でも、いかにおいしくするかが料理上手の腕の見せどころだろう。
たとえば、パックで販売されているうなぎ。料理研究家のさわけんさんに、パックうなぎを高級店並みの味にするテクニックを教えてもらった。
パックうなぎの身は、店頭に並ぶまでに冷えて硬くなり、さらに、つけダレのせいでうなぎの風味が薄れている可能性もある。この状態のうなぎをおいしく仕上げるにはまず、うなぎが収まる程度の小さめのフライパンに、身を下、皮を上にしてうなぎを入れ、麦茶大さじ1~2を注いで約30秒火にかける。ひと煮立ちしたら、汁を別皿に取り出し、うなぎは皮を下にして焼く。そこに先程の汁と、場合によっては付属のタレを加え、からめて完成。煮詰めることで水分が身に戻ってふんわりし、麦茶の香ばしさが移って炭火焼き風味になる。
さらに、「特売牛肉」を高級店レベルに引き上げる技も教えてもらった。
安い牛肉ほど身が硬い傾向にあるが、これに火を入れると、水分が奪われ、さらに硬くなる。そんな肉でもやわらかく仕上げるには、焼く前に塩水に漬けるのがいい。塩の効果で保水性が高まり、さらに肉の細胞が水を含んで、火を入れた時にしっとり感が残りやすい。牛肉を漬ける塩水は水5カップに塩大さじ1/2が目安。ただし、肉に塩味がつくので、もともと塩で味つけをするステーキや炒め物におすすめ。炒め物に使う場合は、肉に小麦粉や片栗粉をまぶし、はたいてから焼くと、よりやわらかい食感になる。
※女性セブン2018年8月9日号