まさに登山シーズン真っ只中。中高年を中心にアクティブな趣味として根強い人気があり、定年などをきっかけにハマる人も少なくない。ただ、60代以降は思わぬ落とし穴がある。
例えば、途中のロッジや山小屋、宿泊施設などに到着してすぐの昼寝は禁物だという。北アルプス・槍ヶ岳の山荘、標高3060m地点に立つ東京慈恵会医科大学槍ヶ岳診療所の管理者で医師の齋藤三郎氏がいう。
「夜になって頭ががんがんすると訴えて診療所にやってくる人がいる。聞いてみると、陽の高いうちに山小屋に着いて、夕飯まで昼寝をしていたと言うんです。
睡眠中は呼吸回数が減少し、体内に取り込む酸素量も減少します。酸素が薄い高地に到着していきなり昼寝をすると、高山病になりやすくなってしまうのです。高山の絶景を眺めながら仲間とおしゃべりをして、身体を高さに馴らすように指導しています」
下りは、遠回りでも傾斜が緩やかなコースを選ぶ。同診療所で毎年ボランティア診療を行なっている医師の1人、油井直子氏はこうアドバイスする。