オーストラリア連邦議会は国会議員の仕事を手伝うインターンシップ制度の変更を発表し、外国人留学生は今後、インターンとして採用しないことを明らかにした。これは、英紙フィナンシャル・タイムズが昨年9月、中国人民解放軍のスパイ学校で英語教師をしていた中国系ニュージーランド人が豪議会のインターンを経験していたと報じたことがきっかけだ。
さらに、豪議会は6月末、外国政府からの内政干渉やスパイ活動を阻止するための法案を可決している。これは、ターンブル首相が昨年末、中国政府が豪政府に内政干渉をしていると強く批判しており、豪政府内部でも中国の影響力強化や秘密漏えいを警戒する声が強まっていることが背景にある。ロイター通信が報じた。
豪議会でインターンとして採用された外国人留学生はその雇用期間である3カ月間は議会の機密文書を閲覧できたため、議会は機密文書についてはメモをとらないよう要求してきた。
ところが、ここ数年、インターンとして外国人留学生が多く採用されており、機密漏えいの危険性が強まったなどとして、「今後議会がインターン生を募集する際、オーストラリア国籍の国民のみに限定する」と議会スポークスマンが発表。
スポークスマンは外国人インターンについて、具体的な国名は挙げなかったが、ここ数年、中国系留学生のインターンが多くなっていることが分かっており、今回の措置は中国を念頭に置いていることは間違いない。