記録的な猛暑となっている今年の夏。熱中症で死に至るケースも連日増加し続けている状況だ。そもそも熱中症はどのように重症化していくのだろうか。山野医療専門学校副校長で、医学博士の中原英臣さんが解説する。
「熱中症は進行度によってI~III度に分けられます。最も軽いI度では、顔色や気分が悪くなったり、手足のしびれ、こむら返りなどが主な症状です。涼しいところで充分に水分を摂り、首や脇の下、足の付け根など太い動脈が通るところを冷やすなどすることで対処します」
より症状がひどくなれば、医師の処置がなければ危険だ。
「II度になると激しい頭痛のほか、疲労感や倦怠感、吐き気、めまいなどの症状が出ます。そうなるとかなり危険な状態が進んでいます」
III度になると、取り返しがつかない状態だ。
「深部体温の上昇で脳細胞が徐々に死んでいくので、意識の混濁や喪失、せん妄状態などが出ます。最終的には意識を失います。運動中などにバタッと倒れて意識を喪失し、そのまま亡くなるケースも多い。体温調節機能が弱っている高齢者も、気づかないうちにIII度の状況になりがちです。もし回復しても後遺症が残る可能性があります」
早め早めの対応が必要だ。
※女性セブン2018年8月9日号