中国共産党に関する様々な秘密を握っており、“中国共産党が恐れる”として知られる郭文貴氏は、現在米ニューヨークに身を寄せる。郭氏は、米国政府の元主席戦略間スティーブ・バノンをはじめとする様々なルートを通じてトランプ政権の内情にも詳しい。米朝首脳会談を成し遂げたトランプについて、さらに急速に展開する世界情勢から置いてけぼりをくらいつつある日本について、大いに語ってもらった。
* * *
日本のみなさん、こんにちは。私が郭文貴だ。今回は、新たなステージに入った感のある北朝鮮問題を巡るアメリカや東アジア各国の情勢と、そんな激動の時代のなかで私が日本に期待することを述べさせていただくことにしよう。
今年6月12日に歴史的な米朝首脳会談が実施された。実現に至るまでの紆余曲折について、予測不可能性の高いトランプ氏の姿勢に苦言を呈するような声もあったと聞く。だが、歴史にIFはないとはいえ、仮に大統領選でトランプ氏が当選していなかったならば、今回の米朝首脳会談は間違いなく開かれなかっただろう。
トランプ氏は企業経営者としてのキャリアゆえなのか、常に情勢の変転に即して、現実をベースに臨機応変な対応を取る。別に私がトランプ氏と同じく大富豪だから贔屓をするわけではないのだが(笑)、この点は素直に評価すべきことではないか。
第二次大戦後の国際秩序において、世界の多くの国々は、全人類の共通の課題である経済の発展や科学の進歩、疾病の克服、生活水準の向上、環境汚染といった問題に取り組んできた。しかし、一部のけしからぬ国はこうした秩序を無視して、国際社会の一員としての義務を果たすこともなく、侵略的な対外拡張や不当な手段での金儲けに邁進し、それを批判する国際社会をあべこべに恫喝すらしてきた。