外を歩くのも一苦労となるほどの猛暑となっている今年の夏。こういうときには、涼しい部屋にこもって読書でもしてみてはいかがだろうか。そこで、「プッシュした本は必ず売れる」と話題の書店員・新井見枝香さんにこの夏におすすめの3冊を紹介してもらった。
【プロフィール】
新井見枝香さん/三省堂書店神保町本店・書店員。「プッシュした本は必ず売れる」と話題の“カリスマ書店員”。販促を兼ね、2014年に独自に設立した“新井賞”は、本好きの間で芥川賞・直木賞よりも注目を集める。初エッセイ集に『探してるものはそう遠くはないのかもしれない』(秀和システム)がある。
『玄関の覗き穴から差してくる光のように生まれたはずだ』
木下龍也、岡野大嗣 ナナロク社 1512円
「男子高校生2人が過ごす7月1日からの1週間を、2人の歌人が短歌で綴った、歌集とも小説ともいえる奇跡のような本。夏のきらめきを短歌に封じ込めると、よく知っている“それ”が輝きを増し、今体感している夏までもが好もしい」(新井さん)
『ホッピー好きの夫婦があちこち飲み歩いてみた』
おざわゆき、渡邊博光 ぶんか社 1080円
「夏は、ホッピーの幟が立った店に入りたくなる。著者は夫婦揃ってくいしんぼうで、おいしいホッピーだけでなく、肴にもこだわる。食べることが大好きな人が描く絵は、どうして写真よりおいしそうなのだろう」(新井さん)
『帰り遅いけどこんなスープなら作れそう 1、2人分からすぐ作れる毎日レシピ』
有賀薫 文響社 1188円
「あっという間にできて、シンプルな味で、するするっとのどを通るスープ。暑い日の、帰りが遅くてヘトヘトな日にこそ、スープなのだ。火を使わない簡単なものから、冷たいスープのレシピもあり、この1冊で夏を乗り切れる」(新井さん)
※女性セブン2018年8月9日号