放送作家でコラムニストの山田美保子氏が独自の視点で最新芸能ニュースを深掘りする連載「芸能耳年増」。今回は「コメディエンヌ」と称される女優たちについて。
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「彼女はコメディエンヌだね」とは、日本テレビのスター演出家・水田伸生氏が、女優・井上真央について評したコメント。2012年に公開された映画『綱引いちゃった!』を撮影していた頃、水田監督から直接聞いたものだ。
記憶を確認するために「井上真央 水田伸生」でネットで検索をかけてみると、計算された笑いは「明石家さんまさんから」とインタビューに答えている水田氏のインタビュー記事や、『東京国際映画祭』の壇上に突然上がってきた男性ファンを「水田さんの仕込みですよね?」と動じなかった井上真央の大物ぶりを報じたニュースがあがってきた。
水田氏と明石家さんまは、同局の連続ドラマ『恋も2度目なら』を始め、多数タッグを組んでおり、いまも『踊る!さんま御殿!!』の収録前後、番組スタッフではないが楽屋に入り、談笑しているのを見かける。いろいろな場面で、さんまが水田氏の突破口的存在になっているのだろう。
井上真央は『綱引いちゃった!』に続いて、映画『謝罪の王様』でもタッグを組む。『謝罪~』は、『舞妓Haaaan!!!』、『なくもんか』に続く、水田氏監督、宮藤官九郎脚本、阿部サダヲ主演という“トリオ”による第3弾だった。
映画だけではない。ドラマ『トッカン 特別国税徴収官』(日本テレビ系)に井上真央が主演していたときの様子を水田氏から聞いたこともある。「笠原秀幸くんのことを現場でいつもからかったり、ツッコんだりしている」と。ファンにとって、二人が幼なじみであることは有名で、年齢は笠原のほうが4才ほど上なのだが、格の違いなのか、キャラクターなのか、撮影現場での笠原は、とことん明るくて愉快な井上の“おもちゃ”になりがちなのだという。
さて、今期、各所から「コメディエンヌ」と称されているのは広瀬アリスだ。主演ドラマ『探偵が早すぎる』(読売テレビ・日本テレビ系)での、はっちゃけた演技や、くるくる変わる表情や大きな動きなどについて、そう言われているのだが、実は、朝ドラの『わろてんか』(NHK)で女芸人・リリコを演じたときから、そうした評価はあった。
さらに、それよりも前、ドラマ『釣りバカ日誌』(テレビ東京系)で濱田岳の恋人、みち子役をしていたときにも、コメディエンヌの片鱗をうかがわせていた広瀬アリス。だが、“片鱗”は、それより前、コンタクトレンズの「アイシティ」のCM“夏をアイしてキャンペーン”編で確認されている。