命にかかわるレベルの猛暑に襲われる日本列島。熱中症予防のためにもエアコンは必須だが、難しいのが設定温度だ。
「27℃が、人が快適に過ごせる室温です。今夏の猛暑は未曽有の暑さです。エアコンは一日中つけておくことが大切です」
医療番組のコメンテーターで知られる『米山医院』院長の米山公啓さんは続ける。
「エアコンを入れているだけで安心してはいけません。エアコンがついていても、室温は30℃ということもある。これだけの猛暑だと、外気温が高すぎるため、設定温度まで室温が下がらないケースも多い。そこで、除湿機能で湿度を下げることが有効です。湿度が下がることで、汗が蒸発しやすくなり、体温が下がります。屋内でも水分補給と室温のチェックは欠かさないようにしてください」
ほんの短時間の外出も危険だ。愛知・豊田市の小学1年生の男児は午前10時に1時間ほどの外出で命を奪われた。エアコンが効いた室内で熱中症になるケースもある。奈良女子大学生活環境学部・久保博子教授はこう指摘する。
「空調と外気温の差の目安は3℃や5℃といいますが、今夏のような猛暑下では常にエアコンを27℃以下にするべきです。日中は出歩くべきではありません。極力エアコンの効いた室内で過ごしてください。買い物は朝一番か、日没後にした方がよいでしょう」
猛暑下では自分の肌感覚を過信せず、エアコンの設定温度を確認し、「27℃以下」に設定することが重要だ。室温27℃で除湿していても暑い場合はどうすべきか。
「エアコンでは部屋の一部分だけが冷えていることがあります。扇風機を床や天井に向けて動かすことで、室温が均一になり涼しくなります。ただし、扇風機を直接体に当て続けるのは、体温を下げすぎるので避けてください」(前出・米山さん)
殺人猛暑はまだまだ続く。正しい適温を知り、暑さを乗り越えたい。
※女性セブン2018年8月9日号