今やペットは家族の一員。大事に育てられ、犬の寿命は14.2才と長寿、高齢化が進んでいる。年をとるごとに体調を崩しやすくなるのは人間と同じ。そんな犬の異変に気づいた時、どうすればいいのか。「よくあること」と感じてしまいがちな症状別で考えられる犬の不調を紹介する。
■体臭がきつくなる
ドライフードばかり食べ、あまり水を飲まないわんこによく出る症状。「原因は主に排泄不良。尿や便として排出すべき老廃物が体内にたまり、においとなって現れます」(須﨑さん・「」内以下同)。また、アレルギー性皮膚炎やフケ、脂状の滲出物が出る脂ろう症も原因。水を飲ませることが改善につながる。
・考えられる主な病気:排泄不良、アレルギー性皮膚炎、脂ろう症
■鼻が乾いている
わんこの鼻は嗅覚を敏感に働かせるため、体液によって湿った状態が保たれている。「起きている時に鼻が乾いていたら万病のサイン。抵抗力が落ちているため、ウイルスや真菌などの感染症にかかりやすくなることも」。嘔吐や下痢などの症状が伴うならば、すぐに診察を受けて。
・考えられる主な病気:すべての体調不良のサイン。その他に症状が出ていないかチェックを
■フケ、脱毛量が増える
ホルモン異常やアレルギー性皮膚炎が原因となることが多い。「特にアレルギー性皮膚炎の場合、全身に強いかゆみを伴うようになります。かかりつけの獣医に薬を処方してもらいつつ、食事を変えるなどして体質改善することが大切です」
・考えられる主な病気:ホルモン異常、排泄不良、血行不良、薬の副作用、アレルギー性皮膚炎
■目やにが出る
アレルギーのほか、根本的な原因として、排泄不良のケースも。「獣医から処方された目薬をさして症状の改善を。花粉症になると散歩を控える飼い主さんもいますが、散歩は代謝を促進させるのに有効。できるだけ運動をさせてください」
・考えられる主な病気:排泄不良、花粉症、ハウスダストアレルギー
■体をよくなめる
シャンプーの後に、わんこは気になる部分をなめることがある。ここに異変の早期発見のヒントが隠されている。「ノミやダニなどの寄生虫の感染や、アレルギー性皮膚炎の早期発見につながったこともありました」。いずれの症状も体内に老廃物がたまったり、免疫力が低下することで起こりやすくなる。
・考えられる主な病気:排泄不良、感染症、アレルギー性皮膚炎
■食欲がない
口腔内で細菌が繁殖することで起こる口内炎、歯周病が増えているという。「食べづらいことが原因で食欲が落ちていきます。ひどい子には歯石の除去や抗生物質を投与することも。唾液がネバネバしてきたら口腔内の病気を疑って」。予防には毎日の歯磨きが有効。「犬用の歯磨き剤もありますが、殺菌作用がある大根の搾り汁で磨いてあげると改善するケースが多いです」
・考えられる主な病気:口内炎、歯周病、消化器の病
※女性セブン2018年8月16日号