人間のように、体調不調を言葉で伝えることができないのが、ペットというもの。
「犬は体調が悪くても飼い主の前では元気に見えるような行動をしがち。だから、病気が慢性化して初めて飼い主が気づくというケースが多いんです」
と、須崎動物病院院長・須崎恭彦さんは解説する。最近増えているのは、花粉症やアトピー性皮膚炎などのアレルギー症状だ。
「大気汚染が深刻な都会から郊外に引っ越しただけで、涙やけが消えた例もありました。根本的な原因は何かを探る視点を持つことも大切です」(須崎さん・「」内以下同)
食事が不調の原因にもなる。
「安価なドッグフードを食べ続けた子は、アトピー性皮膚炎などが慢性化する傾向があり、手作りの食事に切り替えたら症状が改善した例もありました。ペットの高齢化に伴い、がんや腫瘍、糖尿病、白内障、腎臓病なども増えていますが、食事が原因となるケースが多いんです」
また、目、鼻、口の粘膜部分に現れる異変も見逃せないという。
「目やに、涙やけ、鼻水、くしゃみ、咳、嘔吐などの症状は病気のサイン。そんな変化が現れたら、獣医さんに診察してもらいましょう。思わぬ大きな病気が見つかり、一命をとりとめたケースも多々あります」
※女性セブン2018年8月16日号