1984年春のセンバツで旋風を起こし、ベスト4に進出した岩手・大船渡。今夏、長く低迷していた同校が注目を集めたのは、岩手が生んだ二刀流・大谷翔平(エンゼルス)を彷彿とさせる怪物投手の登場に尽きる。
2年生の189センチ右腕・佐々木朗希(ろうき)は県大会初戦に先発し、自己最速となる154キロをマークした(11奪三振、完投)。
大船渡旋風時の主力・木下清吾は母校復活に期待を寄せる。
「港町に人があふれかえった当時の再現を期待したい。佐々木君がいる今年、来年は甲子園を本気で狙えるチャンスです」
大船渡は2戦目で佐々木の登板がないまま敗戦したが、この夢物語は来春、来夏に続く。(文中敬称略)
●取材・文/柳川悠二(ノンフィクションライター、『永遠のPL学園』著者)
※週刊ポスト2018年8月10日号