人気テレビ番組『プレバト!!』(TBS系)の影響もあり、人気が高まっている俳句。NHK Eテレの『俳句王国がゆく』の司会が5年目に突入したお笑いコンビ・U字工事の2人が、俳句の楽しさや人気ぶりを語った。
益子卓郎:番組は公開収録なんです。初期は空席もあったんだけど、最近は2倍とかの倍率で、希望者全員は入れない。
福田薫:だから今、俳句って人気なんだなと思いますよ。
益子:番組が始まる前は俳句について何も知らなかったので、最初は作るのも話をするのも難しかったです。
福田:ぼくも俳句に、あまり興味がありませんでした。
益子:今では、こんなに大きな世界があるんだなと感じますね。俳句作んなきゃというときは、いろんな景色を注視するようになりましたよ。誰も見ないようなお寺の隅とかもジーッと見てます(笑い)。
福田:ぼくは夏井いつき先生に、音を表現するのは上手いと言われたことあるんですよ! 野球チームのおじいさんが投げたボールが予想以上に速くて、ピュッズバンって表現したんです。
益子:俳人の先生にたくさん会ったけど、みなさん、高貴な雰囲気ありますよね。言葉に詳しいし。
福田:坊城俊樹先生は、気難しいかとドキドキしたけど、びっくりするほど気さく。
益子:おしゃれで、チョイ悪おやじみたいな感じ(笑い)。
福田:俳句の魅力の1つに、吟行(題材を求めて出かけること)があると思うんですよ。思い出を写真で残すのもいいけど、旅先で気に入った句ができたら、それを読み返した時、写真とはまた違う記憶がよみがえってきますよね。
益子:俳句を作ろうとすることによって、物事を深く見たり考えたりするようになるんです。それって、人生のプラスになりますよね。
福田:やればやるほど、俳句は難しいと感じる。いいものを出したいと思うほど、何パターンも考えて、こんなに頭を使うんだと驚きました。ボケ防止になるといわれているのもわかる(笑い)。
益子:もっと句を作りたいけど、上手い人ばかりだと緊張する。同じレベルの人と句会をしたら楽しそうですね。それでだんだんレベルをあげていけたらいいな。
U字工事は番組で全国各地を回りながら俳句に触れていたが、実は作る方は若葉マーク。そんな2人に「夏」をテーマに俳句を作ってもらった。
【常念や草露に吸いつく夏合宿】──益子卓郎
夏のいちばんの思い出は高校時代、山岳部で登った常念岳。飲む量が決められていたので、常に喉がカラカラ。我慢できずに草に顔を突っ込んで飲んだ水がおいしかった記憶を、句にしました!