9月下旬に迫った自民党総裁選。出馬が予想されているのは、現職の安倍晋三首相と石破茂氏の2人で、下馬評では安倍首相の圧倒的有利。このままいけば安倍首相が3選し、自民党政権が倒れない限り、2021年まで総理の座につくことになる。
そんななか、政治情報サイト「選挙ドットコム」が7月27日に発表した調査結果(約1万人対象)では、次の総裁に「誰がふさわしいか」の問いに、安倍首相と答えたのは29.5%、石破氏は29%。そして、この2人を上回ったのが、小泉進次郎氏(37才)の29.8%だった。それほどまでに「進次郎待望論」が高まっている。
◆政界再編チームをつくる気じゃないか
進次郎氏が「将来の総理候補」であることは間違いないが、それは「もっと先」のことだと思われてきた。しかし、政治ジャーナリストの鈴木哲夫氏はこう話す。
「私はかねてから『2021年進次郎決起説』を唱えてきました。進次郎は2011年、私に“東日本大震災で負った傷やこの閉塞感には、10年で区切りをつけたい”と言っていた。また、2020年の東京五輪後に日本は五輪特需の終わりで景気が後退するといわれています。その時に中心世代となる進次郎が新政権構想を掲げて決起するという説です。しかし、最近の動きを見ると、彼は決起のタイミングを前倒しにしている感じがする。すでに動き始めているのではないか」
今年3月、進次郎氏は自民党の若手議員らおよそ30人で有志の勉強会「2020年以降の経済社会構想会議」を立ち上げ、会長代行に就任した。さらに7月5日には超党派で国会改革に取り組む「『平成のうちに』衆議院改革実現会議」を開催し、これには野党からも中堅・若手議員が参加し、その数は約100人にも膨れ上がった。
また、6月の新潟県知事選では、自民党候補の応援に行かなかったことでも注目を浴びた。
「一連の行動から、安倍首相の周辺は“9月の総裁選を睨んで反逆の政界再編チームをつくる気じゃないか”と警戒感を強めています」(全国紙政治部記者)
父である小泉純一郎元首相(76才)もまた、最近急速に「安倍批判」に舵をきっている。『週刊朝日』(4月27日号)のインタビューでは「(安倍首相は)引き際だ」「本当ならとっくに辞めてなきゃいけないはず。バレている嘘をぬけぬけと今も言ってるなぁとあきれているんだよ、国民は」と厳しい口調で批判。さらに安倍首相とは別の派閥の人間と会食をするなど急接近している。
「純一郎さんと進次郎さんが同時に動き出したことは不可解。総裁選を前に2人の動きが加速しているのは、もしかすると“進次郎出馬”の布石なのかもしれない」(前出・記者)
さまざまな“状況証拠”が、進次郎氏の総裁選出馬を後押ししているようにも見える。