ビジネス

マツダが豪雨災害で発揮した“広島愛”の原点

広島は甚大な被害を受けた(時事通信フォト)

 7月上旬に猛威を奮った西日本豪雨は、中国地方を拠点する企業の生産拠点を直撃した。そんな中、広島市に本社を置くマツダの復興支援が注目を浴びている。

 7月12日には、広島県に8000万円、日本赤十字社に2000万円の計1億円の義援金の寄付を発表。また、同社が災害用備蓄品として保存していたペットボトル飲料水約2万3000リットル、土嚢袋1500枚を、被害が大きかった呉市や府中町などに提供したほか、マツダ病院の医師や看護師を府中町や東広島市に派遣。猛暑が続いた7月下旬には、休暇手当を100%支給することで、社員の災害復旧ボランティアへの参加を促した。豪雨被害で自社工場も操業縮小(7月23日に解消)している中での取り組みだった。

 なぜ、ここまでできるのか。経済ジャーナリストの片山修氏が解説する。

「マツダの前身である東洋工業は、原爆投下で壊滅的被害を受けたその4か月後に主力製品である『三輪トラック』の生産を開始し、広島の復興を支えた。その恩を忘れていなかった広島の人たちは、1970年代のオイルショックや2008年のリーマンショックでマツダが苦境に立つと、今度はマツダ車の購入を促進する『バイ・マツダ運動』を展開して助けた。企業と人の間に『助け合い精神』が根付いているのです」

 マツダ国内広報部に話を聞いた。

「創業以来、広島に拠点を置く企業として皆さまからの多大なサポートに支えられて事業を展開しております。私たちは地元企業の一員。被災された方々が一日も早く日常生活に戻られることを願って、あらゆる支援活動を行なってまいります」

 一部の通行止めなど物流機能の正常化や工場の通常稼働などマツダが直面する課題は多いが、「ご当地企業」として広島の人たちと支え合いながら復興への道のりを歩んでいる。

関連キーワード

関連記事

トピックス

歌舞伎俳優の中村芝翫と嫁の三田寛子(右写真/産経新聞社)
《中村芝翫が約900日ぶりに自宅に戻る》三田寛子、“夫の愛人”とのバトルに勝利 芝翫は“未練たらたら”でも松竹の激怒が決定打に
女性セブン
胴回りにコルセットを巻いて病院に到着した豊川悦司(2024年11月中旬)
《鎮痛剤も効かないほど…》豊川悦司、腰痛悪化で極秘手術 現在は家族のもとでリハビリ生活「愛娘との時間を充実させたい」父親としての思いも
女性セブン
ストリップ界において老舗
【天満ストリップ摘発】「踊り子のことを大事にしてくれた」劇場で踊っていたストリッパーが語る評判 常連客は「大阪万博前のイジメじゃないか」
NEWSポストセブン
紅白初出場のNumber_i
Number_iが紅白出場「去年は見る側だったので」記者会見で見せた笑顔 “経験者”として現場を盛り上げる
女性セブン
弔問を終え、三笠宮邸をあとにされる美智子さま(2024年11月)
《上皇さまと約束の地へ》美智子さま、寝たきり危機から奇跡の再起 胸中にあるのは38年前に成し遂げられなかった「韓国訪問」へのお気持ちか
女性セブン
野外で下着や胸を露出させる動画を投稿している女性(Xより)
《おっpいを出しちゃう女子大生現る》女性インフルエンサーの相次ぐ下着などの露出投稿、意外と難しい“公然わいせつ”の落とし穴
NEWSポストセブン
田村瑠奈被告。父・修被告が洗面所で目の当たりにしたものとは
《東リベを何度も見て大泣き》田村瑠奈被告が「一番好きだったアニメキャラ」を父・田村修被告がいきなり説明、その意図は【ススキノ事件公判】
NEWSポストセブン
結婚を発表した高畑充希 と岡田将生
岡田将生&高畑充希の“猛烈スピード婚”の裏側 松坂桃李&戸田恵梨香を見て結婚願望が強くなった岡田「相手は仕事を理解してくれる同業者がいい」
女性セブン
電撃退団が大きな話題を呼んだ畠山氏。再びSNSで大きな話題に(時事通信社)
《大量の本人グッズをメルカリ出品疑惑》ヤクルト電撃退団の畠山和洋氏に「真相」を直撃「出てますよね、僕じゃないです」なかには中村悠平や内川聖一のサイン入りバットも…
NEWSポストセブン
注目集まる愛子さま着用のブローチ(時事通信フォト)
《愛子さま着用のブローチが完売》ミキモトのジュエリーに宿る「上皇后さまから受け継いだ伝統」
週刊ポスト
イギリス人女性はめげずにキャンペーンを続けている(SNSより)
《100人以上の大学生と寝た》「タダで行為できます」過激投稿のイギリス人女性(25)、今度はフィジーに入国するも強制送還へ 同国・副首相が声明を出す事態に発展
NEWSポストセブン
連日大盛況の九州場所。土俵周りで花を添える観客にも注目が(写真・JMPA)
九州場所「溜席の着物美人」とともに15日間皆勤の「ワンピース女性」 本人が明かす力士の浴衣地で洋服をつくる理由「同じものは一場所で二度着ることはない」
NEWSポストセブン