人気テレビ番組『プレバト!!』(毎日放送系)で関心が高まっている俳句。今年で創刊66年目を迎える、老舗月刊誌『俳句』(KADOKAWA)。歴史ある雑誌の編集長・立木成芳さんに、俳句の移ろいを聞いた。
「俳句に流行り廃りはありませんが、大きな災害があると被災地応援、オリンピックやワールドカップが行われると、それに関連する俳句が増えます。身の回りのことを読むので、時代を反映したものになるのです」
数百万人いるといわれる俳句人口は、どれくらいなのか。
「弊社では毎年、『俳句年鑑』を刊行しています。全国の俳句結社の動向を紹介しており、2018年版には633の結社を掲載。これらの結社は数十人規模の結社もあれば3000人を超える結社もあります。この結社数はあくまで私どもが把握している数字にすぎません」
結社に所属する人は、いわば“コア”に俳句を嗜んでいる人々。結社に所属せずに楽しんでいる人もいるだろう。1989年にスタートした、伊藤園主催の『お~いお茶新俳句大賞』では昨年、過去最高の、195万句以上が集まった。小学生から高齢者まで、裾野が広がっているようだ。
俳句のプロと呼ばれる人はどれくらいいるのだろう。
「何をもってプロと呼ぶかによりますが、俳句だけで生計を営んでいるという意味では、ほんの一握りの方々ではないかと思います。逆に言うと別の仕事をしながら、俳人としても大いに活躍できるところが、俳句のよさでもあります」
俳句をするなら必携書となる、季語を集めた辞書『歳時記』の内容は年々変化している。いったい季語は誰が決めているのか。
「10年ぶりに改定となった『俳句歳時記 第5版』(角川ソフィア文庫)では俳人を含む編纂メンバーが1年がかりで季語や解説、例句の見直し作業を行いました。新たに立項された夏の季語としては、“バーベキュー”や“サンダル”があります。どちらも最近作られる俳句にはよく出て来るもので、世間に認知されているとの理由で、新しく季語として入れることになりました。
歳時記の編纂メンバーや改定の時期が違ったりすることで、各社の歳時記の内容はかなり異なっているはずです」
※女性セブン2018年8月16日号