1961年に始まったNHKの朝ドラ(連続テレビ小説)は、その時代に輝くスター女優を輩出してきた。『週刊ポスト』読者300人を対象に「歴代最高の朝ドラ女優」についてアンケートを実施した。
堂々1位に輝いたのは、『ひよっこ』(2017年春)の有村架純だ。当世若手女優の代表格ながら、意外にも50代、60代からの支持を集めた。
「小学生の時に東京五輪を観た世代なので、風景や時代の雰囲気もすごく懐かしかった。“みね子”みたいな純粋なヒロインが存在しえるのも、あの時代設定ゆえだと思う」(63・自営業)
「茨城弁を使う“みね子”がとにかく可愛くて。『ひよっこ』を観るだけで、明るい気持ちで1日を過ごせた」(53・会社員)
2位は、「じぇじぇじぇ」という方言を日本中に大流行させた『あまちゃん』(2013年春)のヒロイン、能年玲奈(2016年、のんに改名)。放送終了後、喪失感の余り、「あまロス」なる言葉まで生み出したほど、同作には熱烈な視聴者が多かった。コラムニストの中森明夫氏が語る。
「あの作品は数ある朝ドラのなかでも別格。小泉今日子さん、薬師丸ひろ子さんという1980年代のトップアイドルが親世代として登場し、その娘世代をのんさん、橋本愛さんが演じた。“二世代で楽しめるアイドルドラマ”というだけでも珍しいのに、そのなかでまだ名前の売れていなかったのんさんが、現実世界でも国民的ヒロインに成長していった。役名のまま紅白に出場したり、ドラマと現実がシンクロしていく様は、これまでの朝ドラにはない興奮がありました」(中森氏)