西日本豪雨の爪痕が癒える間もなく台風12号が列島を襲った。直下型地震のリスクも指摘されるなか、「とりあえず防災袋だけでも用意しておかなければ」と考えるのは自然なこと。
ただ、被災した当事者たちの声に耳を傾けると、「防災袋に入っているものだけだと、ちょっと足りない」という現実が浮かび上がってきた。そうした貴重な体験談から学ぶべきことは多い。そこで、防災袋に入れておいて役立ったという意外なアイテムをいくつか挙げてもらった。
【ビタミン剤】
東日本大震災で被災し、避難所で約1か月生活した40代男性の話。
「カップ麺やレトルト食品が続いて野菜不足になったため、家族揃って口内炎に。そのとき、同じ避難所で仲良くなったご家族がビタミン剤を分けてくれて、2日続けて飲んだらすっかり治った。こういう補助的なものほど、“手元にあると助かるんだな”と膝を打ちましたね」
【七味唐辛子、山椒などの調味料】
栄養面以外の問題も出てくる。
「避難所の食事は、誰でも食べやすいように薄めの味付けにしてあるので、どうしても飽きが出てきて、食欲が落ちてしまう。配給されたみそ汁やおにぎりを食べながら、七味や山椒などで“ちょい足し”したいと何度も思いました」(東日本大震災で被災した40代男性)
【ドライフルーツ】
「食物繊維が不足して避難所では便秘になっていたのですが、一緒に避難していた友人にドライフルーツを分けてもらえて本当に助かりました。常温で長期間保存できるので、防災袋に入れておくには適していますよね」(阪神淡路大震災で被災した50代男性)