来年4月、新たな元号が発表される。元号発表の記者会見の印象から、「平成おじさん」と呼ばれたのが小渕恵三・元首相(当時は官房長官)だった。あまりの知名度急上昇に、当時の竹下登・首相をして「おれが(元号発表を)やればよかった」と嫉妬させたといわれる。
歴史に名が残る次の元号発表の“栄誉”を担うのは誰になるのか。「平成の代替わり」を事務方として仕切った石原信雄・元官房副長官(91)がこう語る。
「誰が発表するかの決まりはありませんが、政府のスポークスマンである官房長官が発表するのが順当です」
秋の自民党総裁選後には、内閣改造が行なわれる。安倍政権の“不動の官房長官”と言えば定例会見でお馴染みの菅義偉氏だが、ここにきて菅氏の降板説が流れ、後任に下村博文・元文科相、松野博一・元文科相、萩生田光一・元官房副長官ら安倍側近たちの名前が取り沙汰されている。
「小渕さんは地味だったが、元号会見をきっかけに大化けして首相に上りつめた。安倍側近たちも元号で名を売ってあわよくば、と色気を出しているんじゃないか」(自民党ベテラン)
もっとも政治キャリアも実績でも菅氏には及ばない。
むしろ、菅氏にとって最大のライバルは安倍晋三・首相だ。リオ五輪の閉会式のように“目立ちたがり病”を発症した首相が、「やっぱり元号は俺が発表する」と“額縁会見”を買って出るかもしれない。
※週刊ポスト2018年8月17・24日号