子供に対してある程度の寛容さを持つことは大人なら当然だ。常軌を逸した酷い仕打ちをすれば逆に大人が厳しく咎められてもやむを得まい。中国の情勢に詳しい拓殖大学海外事情研究所教授の富坂聰氏が指摘する。
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人間であれば誰しも生理現象に悩まされた経験はある。それが小学生であれば、当たり前のことだ。だが、子供のそんな行為に厳罰をもって対処し、全国の話題をさらった男がいる。雲南省昭通市に住む陸という人物である。
事件が起きたのは今年5月22日、近くの小学校に通う男子児童が、突然の腹痛に襲われ、仕方なく近くの林に駆け込み、そこで用を足したのだった。だが、タイミングの悪いことに、用を済ませ、林から出てきた小学生は、その林の持ち主である陸に見つかってしまうのである。
相手が小学生なのに、自分の土地で用を足したことが許せなかった陸は激高し、その場で男子児童に排泄した大便をすべて食べさせたというのだ。
いうまでもなく、おぞましい事件だが、当の本人はむしろ自分の正当性を疑わなかったのか、男子児童をわざわざ学校まで連れて行き、教師に引き渡している。
陸の行為により事態を把握した学校側は、当然のことながら男の行為を問題視して警察に通報したことで問題が発覚。地元警察やメディアが知ることとなった。陸にはその後、10日間の行政勾留の処分が下されているが、事件のいまも捜査は続いていて、メディアはさらに厳しく罪に問われる可能性が高いと報じている。