「最高気温40度」と聞いても驚かなくなってしまった、今年の猛暑──。各地で観測史上最高となる暑さを記録し、夏休み前には教室やグラウンドで熱中症になる小中学生も多かった。小中学校は夏休みとなっているが、9月も厳しい残暑が続くとみられている。
公立小中学校の教室のエアコン設置率は全国平均(2017年)で49.6%だが、実際には地域格差がある。99.9%の東京都、97.7%の香川県など、ほぼ全教室にエアコンが設置されている都道府県がある一方で、愛媛県は5.9%、奈良県は7.4%と、設置率が低い県もある。
市町村別に見ると「設置率0%」の自治体も少なくない。岐阜県全体の小中学校のエアコン設置率は55.2%で全国16位だが、「最高気温40度超」を何度も記録した同県多治見市では「設置率0%」となっている。これだけ暑いのに、なぜ0%なのか。多治見市役所の教育総務課担当者に聞いた。
──市内の小中学校の普通教室のエアコン設置率が0%ですが、現時点でもそうなのですか?
「プレハブの教室を使っている学校が一部あり、その3教室には今年度エアコンを設置しました。これは生徒数が増えたための臨時の教室です。その他につきましては整備方針を策定中で、今年から数年間かけて設置していこうと考えています」
──整備方針はいつ決まるのですか?
「9月中にまとめる予定です」
──全校に設置していく?
「はい。小中学校だけではなく、幼稚園や保育園も含めて整備していくことになります」
──設置の順番をめぐって「ウチの学校を先にしてほしい」という意見も出そうですね。
「“早くエアコンをつけてくれ”という苦情をたくさんいただいているので、そうした話も出てくると想定はしていますが、財源などの関係もありますのでご了承願いたいと思います。体の小さい子(低学年)から対応できるように考えているところです」