自民党総裁選3選後に本格的に「憲法改正」に乗り出すとみられている安倍晋三・首相だが、内心気を揉んでいるのが、「次の天皇である皇太子の憲法観」だという。
今上天皇は「平和への強い思い」を語り、憲法を守る姿勢を見せてきた。そのため、「代替わりによって改正論議に弾みがつく」(安倍側近)と見る向きもあるが、皇太子も今上天皇のそうした「平和への思い」を受け継いでいるだけに状況は変わらないとみる宮内庁関係者は多い。
安倍首相は天皇には「内奏」と呼ばれる国政報告を行ない不定期に面会しているのに対し、皇太子とはほとんど接点がない。「ご進講など、安倍首相が皇太子と会われた記録はない」(宮内庁広報課)という。
加えて、皇太子の“ある人脈”を首相は警戒しているようだ。政治ジャーナリスト・野上忠興氏が話す。
「皇太子妃・雅子さまの父で元国際司法裁判所所長の小和田恆氏は、安倍政権を痛烈に批判している元首相・福田康夫氏と一緒にスキーに行くほど仲がいい。安倍首相にすれば、“反安倍派”の存在が皇太子の後ろに見え隠れすることに懸念を覚えているようです」
※週刊ポスト2018年8月17・24日号