例年4月29日の「昭和の日」に受章者が発令され、5月上旬に勲章伝達式と天皇への拝謁が行なわれる「叙勲」。2019年春が平成最後の叙勲になるとみられ、天皇の代替わりで大盤振る舞いされるのではという期待が高まる。
叙勲者は毎年春と秋にそれぞれ約4000人、長年にわたり地域に貢献した人のうち推薦を受けた人の中から決められる。
しかし、候補者の選定や審査は内閣が行なうため、来年夏に参院選を控えるこの状況で勲章の“バラマキ”が起きれば、選挙に与える影響は大きい。
「平成最後の叙勲」を受ける人数はどうなるのか。内閣府に尋ねると、「例年並みの人数を対象とする方向で調整していますが、詳細はまだ決まっておりません」(賞勲局)という。
叙勲についてもうひとつ見落とせないのは、森友学園問題で話題になったあの佐川宣寿・前国税庁長官の“復権”の可能性だ。
官僚トップの事務次官や長官を務めた国家公務員は退職後10年ほどで叙勲対象となり、大綬章に次ぐ「重光章」などが授与される。が、公文書偽造で国家公務員法の処分(減給)を受けた佐川氏はあきらめざるをえなかった。ノンフィクション作家の斎藤充功氏が解説する。
「国家公務員法違反者に恩赦が行なわれると、国民が忘れた頃に佐川氏が『国家に貢献大』と叙勲される可能性があります」
※週刊ポスト2018年8月17・24日号