日大のアメフト悪質タックル問題、東京医科大の裏口入学など、大学の抱える闇が次々に明るみに出ている。その最大タブーが、ヤクザの存在である。ヤクザにも学閥や学歴のつながりはあるのか。暴力団取材のスペシャリストであるジャーナリストの溝口敦氏とフリーライターの鈴木智彦氏の2人が語る。
溝口:大学出のヤクザは少ないけども、そのなかでの学閥のようなものはやはり出来上がる。国士舘出身者を集めた同窓会を開く組長を知っています。
鈴木:私は慶應出身のヤクザに会ったことがあります。親分が「こいつ慶應出なんだよ」って、嬉しくてみんなに自慢していた(笑い)。1年経たずにいなくなったけど。やっぱり、学がないほうが偉い、少年院行ったほうが偉い、少年院の中でも特少のほうが偉いという“逆学歴社会”では生き残れなかったのかな。
溝口:世間とは逆で、大卒は出世できないとされている。良くて二次団体の幹部で頭打ちですから。
鈴木:一方で、子供を大学に行かせようとするヤクザは増えている。表では絶対に「勉強しろ」なんて言わないけど、姐さんが教育ママになってたりするヤクザは多い。
溝口:いまだと、半分くらいは子供を大学に行かせたいんじゃないかな。ヤクザになってもいいことがない以上、子供に大学は出させたいのでしょう。