美人囲碁棋士としても人気の万波奈穂三段(32)が、女流棋戦タイトル「扇興杯」を獲得した。十代の若手が次々とタイトル争いをする中、30歳を超えて初めて念願の“タイトルホルダー”となった。
本人曰く「まさかタイトルを獲れるとは思っていなかった」──。勝った瞬間、「嬉しくてしょうがなくて」涙があふれ、1か月近くたった今でもまだ実感が沸かず、ふわふわ不思議な感じなのだという。
プロ入りから12年たった奈穂さんの身の上にどんな変化があったのか。
奈穂さんといえば、NHK囲碁番組やイベントでの司会進行などで引っ張りだこの、囲碁界のアイドル的存在だ。囲碁界だけでなく、BS-TBSの『おんな酒場放浪記』でレギュラー出演し、居酒屋をめぐりお酒を飲む姿を披露するなど、幅広い活躍をしている。
この番組に出演するようになったのも、囲碁界きっての“酒豪”であることが、番組プロデューサーの目に止まったからだという。
「アイドルという年齢でもないのですが。お酒好きということでも、注目して知っていただけることが嬉しいです。『おんな酒場放浪記』に出たことで、囲碁を知らない方にも、街で声を掛けられるようになりました」(奈穂さん)
地方での囲碁イベントでは「お酒が飲める女流棋士を」と、奈穂さんが指名されることが多い。
打ち上げでも、屈託なく飲んでほんのり頬を赤らめるキュートな姿に、ファンのオジサマたちはメロメロなのだ。飲みっぷりの良さから宴席で“小悪魔”(囲碁界には自称「悪女」もいる!)といわれたことも。「その場を盛り上げようとしていたら、そんなふうに言われてしまって」と奈穂さん。
20代前半のころは、最高一升飲むことも。酔っ払うと記憶をなくす。テンションがあがってみんなを巻きこむらしいが、本人は覚えていない。酩酊して街路樹一本一本に「元気?」などと話しかけたという笑える失敗談もある。その姿を、親友の戸島花さん(女優・囲碁大使)にビデオで撮られ、証拠が残っているそうだ。