「女子の過半数が性に否定的なイメージを持ち、初体験率は12年で約25%低下した」── この8月に日本性教育協会より結果が公表された2017年度版の「『青少年の性行動』第8回調査報告」には驚きの結果が並んでいた。
男女の性愛が縮小傾向にある一方で、従来とは異なる価値観が認められるようにもなった。
2017年の性行動調査では、「でき婚」について約4割が「かまわない」「どちらかといえばかまわない」と回答し、「同性婚」は8割以上が「認められるべき」「どちらかといえば認められるべき」とした。「割り勘」は男女の約半数が許容するようになった。
バラエティー番組で活躍する男女コンビの芸人で、男性との恋愛には奥手だと明かす「ペコリーノ」のクロコダイルミユ(23才)は、
「私はこの春に大学を卒業したばかりですが、キャンパスで色恋の話ばかりするイケイケの同級生はごく一部で、彼らには嫌悪感がありました。友達も『大学生は恋をするもの、という固定観念はダサい』と恋愛に興味のない人が多かった。芸人になってもその気持ちは変わらず、ネタ以外でセクハラまがいのことをされたら嫌だし、よく先輩芸人たちが口にする『女遊びは芸の肥やし』という考えはまったく理解できません」と語っていた。
そんなクロコダイルミユもイマドキの若者らしく「でき婚」・「同姓婚」・「割り勘」に対して「寛容派」だ。
「今の女性は『何でも平等がいい』という気持ちが強く、割り勘を望みます。同性婚にも興味があるし、同世代で結婚した友達はでき婚が多い。それらを『変だよね』と言う友達はいないし、みんなで応援しようという空気です」
若者の「恋愛嫌い」が進んだら日本はどうなるか。
若い男女の性交が減れば妊娠や出産の機会が減り、少子化がさらに進むのではとの心配がある。リアルの触れ合いを避けることで、若者が内向きになることも不安要素だ。
首都大学東京教授の宮台真司さん(59才)はこう語る。
「最近の若者になぜ恋愛しないか聞くと、『先が読めない恋愛をするより、確実に会いに行けるアキバ系のアイドルや声優の方がいい』『恋愛はコストパフォーマンスが悪い』と一様に言う。コスパの悪い、還元できないものを排除する若者ばかりになった社会がどうなるかは、心配な面もあります」
一方で昔のような男尊女卑的な関係がなくなったことに歓迎の声もある。18才年下の韓国人男性を夫に持つ作家・岩井志麻子さん(53才)が言う。
「昔の女性の多くは結婚して男に養ってもらわないと生きられなかった。だけど今は高度成長期のようにギラギラした“恋せよ、結婚せよ、そして産めよ育てよ”の時代ではない。 恋愛や結婚にさまざまな選択肢があり、彼氏や彼女がいなくても楽しく生きてゆけるし、女から男に迫ったっていい。そんな社会に生きている若い人たちは退化しているのではなく、時代に合わせて進化しているんですよ」
お母さんの若い頃の方が、よっぽど奔放だったようだ。
※女性セブン2018年8月23・30日号