健康のためには、実は普段意識していない「日常動作」のなかにこそ、健康の秘訣がある。たとえば、椅子への座り方の大切さはよく言われるが、和室で椅子がなかったり、椅子の種類が異なるなどのシチュエーションではどうすればいいか。
和室のため椅子がなく、座布団に座らざるを得ないケースもある。ズボラな印象のあぐらに対して、正座はマナー上好ましいのは間違いない。だが礼儀正しい所作が健康によいとは限らない。
55歳の主婦・Aさんが、自身の父についてこう話す。
「父は、祝い事やお葬式など、でも『俺は正座が嫌いだ』といって、必ずあぐらをかくんです。凄くこだわりが強い人で、『エレベーターには頼らない』といって、10階建ての建物ぐらいなら階段で上ってしまうほどです」
Aさんの父の二つのこだわりは因果関係があるかもしれない。KIZUカイロプラクティック院長の木津直昭氏が話す。
「正座をすると膝に負担がかかり、変形性膝関節症になりかねません。一方、あぐらは膝に負担をかけないためその心配はない。
正座をする場合はあまり長時間にならないことを心がけてください」(木津氏)
※週刊ポスト2018年8月31日号