排泄物の汚れやにおいは多くの自宅介護者の悩みの種。特にじゅうたんなど簡単に洗えない場所に汚れがつくと、拭いてもにおいが残るのだ。
こんな状況を解決すべく開発されたのが“水洗いクリーナーヘッド”『switele〈スイトル〉』。
家のキャニスター型掃除機(吸込み仕事率170W以上)に取り付けると、ヘッドの先から水を噴射して汚れを浮かせ、同時にその汚水を素早く吸い取るというもの。拭くだけでは取れない汚れやにおいが、洗濯したようにさっぱり落ちる。普通は水気厳禁の掃除機だが、特許技術の逆噴射ターボファンで汚水は本体タンクにだけ流れ、掃除機には流れ込まないしくみだ。
この技術を開発したのは広島県福山市在住の川本栄一さん。発端は約30年前、まさに義父の介護に苦闘する妻の姿に「何とかしてやりたい」という思いが募ってのことだった。
「義父は認知症でおむつもしていました。便秘が命取りになるため軟便剤を使っていたのですが、おむつの中が不快なのか、自分でおむつの中に手を入れて家中を汚してしまうのです。衝撃的な光景でした。その処理に追われる義姉と妻を見ながら、“家中を洗濯機で洗えたら…”と思ったのがきっかけです」
当時、サラリーマンだった川本さんは構想を抱きながら義父を見送り、早期退職して本格的に開発に着手。メーカーの目に留まり、時は超高齢社会の世に。そして昨年、満を持しての発売となった。
「時を経ても介護家族の悩みは変わりませんね。少しでも介護するかたがたの助けになればうれしいです」(川本さん)
※女性セブン2018年9月6日号