甲子園で全国高校野球準決勝が行なわれ、大きな盛り上がりを見せた8月20日、同じ兵庫県内(神戸市灘区)にある六代目山口組総本部の周辺は騒然としていた──。
兵庫県警と大阪府警の監視に加え、テレビ、新聞、実話誌などのメディアが殺到する中、幹部が揃う執行部会が開かれたのだ。
「本来、8月は六代目山口組(司忍組長)にとって“夏休み”で、会合は開かれない。この時期に執行部会が開かれたのはちょうど3年前に山口組が分裂した緊急事態以来です。メディアが集まったのは、任侠山口組が六代目山口組に合流することがこの場で話し合われ、翌日にも発表されるとの情報が流れたからです」(実話誌記者)
2015年8月に六代目山口組から神戸山口組が分裂、さらに昨年4月には神戸山口組から任侠山口組が分裂し、1年以上にわたり「山口組」を名乗る団体が3つも並存する異常事態が続いている。
それがここに来て、なぜ“再統合”が取り沙汰されるようになったのか。『山口組三国志 織田絆誠という男』の著書があるジャーナリストの溝口敦氏が解説する。
「六代目は、分裂から3年という節目にあたるこの8月いっぱいを、神戸や任侠に行った離脱者が“出戻り”できる期限だと通達していました。神戸と任侠の分裂で優勢に立ったとみた六代目は一気にケリをつけようとしたのでしょう。ところが、思惑とは異なり、六代目に復帰する組織は少なかった。そこで、六代目は任侠を取り込もうと、合流に向けた話し合いを始めたようです」