世の中には様々な健康法が溢れている。しかし、メディアが「これで長生きできる」と喧伝していても、その中には本当に信じてよいのか疑わしいものもある。
「本当に信頼に足るのは、『実際にどれだけの人が健康になったか』という事実を積み上げた『統計(疫学)データ』です」
そう指摘するのは、『みんなが信じている健康法のウソ』の著者で、東京慈恵会医科大学教授の浦島充佳医師だ。こう続ける。
「集団を対象にして集めたデータを、統計的な手法で分析し『病気になる人』と『病気にならない人』の生活習慣を長期的に比較した研究が近年増えています」
そこで今回、「死亡リスク」に関係する生活習慣の研究データを調査。ビッグデータが示した“健康な人に共通する習慣”を紹介しよう。
例えば、ギリシャ人1万6827人を平均7.7年間追跡した調査では、65歳以上で仕事をしている人は、仕事を辞めてしまった人に比べて死亡率が11%低かった。
「通勤など屋外にでる機会が増えたことで運動不足が解消され、動脈硬化などの疾患に罹りにくくなった可能性が考えられます」(秋津医院院長の秋津壽男医師)